H29-13土地の表題部の変更の登記又は更生の登記
土地の表示に関する登記に関する次のアからオまでの記述のうち、A欄に記載した登記原因たる事実が生じた場合に申請又は嘱託をすることになるB欄に記載した登記の目的の組合せとして、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
A欄 | B欄 | |
ア | 分筆線を誤って申請されたことによる分筆の登記を是正する場合 | 地積に関する更正の登記 |
イ | 天災等の自然現象によって一筆の土地の一部が常時海面下に没する状態になった場合 | 地積に関する変更の登記 |
ウ | 天災等の自然現象によって一筆の土地の全部が海面下に没したが、その状態が一時的なものである場合 | 滅失の登記 |
エ | 一筆の土地の全部が河川法第6条第1項の河川区域内の土地になった場合 | 河川区域内の土地である旨の登記 |
オ |
河川法第6条第1項の河川区域内の一筆の土地の一部が滅失した場合
|
分筆及び滅失の登記 |
1 アイ 2 アオ 3 イエ 4 ウエ 5 ウオ
ア 分筆線を誤って申請されたことによる分筆の登記を是正する場合 ・地積に関する更正の登記
誤り
分筆線を誤って申請されたことによる分筆の登記を是正する場合に
申請する登記の目的は、
分筆登記の抹消及び、正しい分筆線による分筆の登記である。
申請する登記の目的は、
分筆登記の抹消及び、正しい分筆線による分筆の登記である。
昭和38.12.28民甲3374号土地の分筆の登記をした後に、分筆線を誤って申請したことが判明した場合、分筆錯誤として、分筆前の状態に戻すための分筆登記の抹消を申請することができる。
大阪地判昭54.11.12地積の更生の登記は、登記記録の地積が、実際の土地の面積と合致しないとき、これを訂正するものである。地積の更生の登記により、土地の権利関係、現地における土地の形状、隣接地との境界等が変更されるものではない。
法38条
(土地の表題部の更正の登記の申請)
第三十八条 第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第三十四条第一項第一号、第三号若しくは第四号に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。
イ 天災等の自然現象によって一筆の土地の一部が常時海面下に没する状態になった場合 ・地積に関する変更の登記
正しい
天災等の自然現象によって一筆の土地の一部が常時海面下に没する状態になった場合、
土地の一部が滅失して地積が減少したものとして
地積の変更の登記を申請しなければならない。
昭和34.6.26民甲1287号
一筆の土地の一部が常時海面下に没する状態になった場合、
土地の一部が滅失して地積が減少したものとする。
法37条1項
(地目又は地積の変更の登記の申請)
第三十七条 地目又は地積について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人は、その変更があった日から一月以内に、当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければならない。
ウ 天災等の自然現象によって一筆の土地の全部が海面下に没したが、その状態が一時的なものである場合 ・滅失の登記
誤り
天災等の自然現象によって一筆の土地の全部が海面下に没したが、
その状態が一時的なものである場合、
登記事項である地積に変更はないため、
申請する登記は、ないことになる。
昭和36.11.9民甲2801号海面下に没した土地であっても、海没するに至った経緯が天災等の自然現象によるもので、かつ、その状態が一時的なものである場合は、私人の所有権は消滅しないものとする。
エ 一筆の土地の全部が河川法第6条第1項の河川区域内の土地になった場合 ・河川区域内の土地である旨の登記
正しい
法43条2項(河川区域内の土地の登記)2 土地の全部又は一部が前項第一号の河川区域内又は同項第二号の高規格堤防特別区域内、同項第三号の樹林帯区域内、同項第四号の特定樹林帯区域内若しくは同項第五号の河川立体区域内の土地となったときは、河川管理者は、遅滞なく、その旨の登記を登記所に嘱託しなければならない。
オ 河川法第6条第1項の河川区域内の一筆の土地の一部が滅失した場合・分筆及び滅失の登記
誤り
河川法第6条第1項の河川区域内の一筆の土地の一部が滅失した場合、
地積が減少したものとして
地積の変更の登記を申請しなければならない。
法43条6項(河川区域内の土地の登記)6 第一項各号の河川区域内の土地の一部が滅失したときは、河川管理者は、遅滞なく、当該土地の地積に関する変更の登記を登記所に嘱託しなければならない。