H23-3共有
A、B及びCが各3分の1の持分で甲土地を共有している場合に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
1 アウ 2 アエ 3 イウ 4 イオ 5 エオ
イ Aが、B及びCの承諾を得ることなく、単独で甲土地全部を占有している場合であっても、B及びCは、その共有持分が過半数を超えることを理由として、Aに対して当然には甲土地の明渡しを請求することはできない。
誤り
各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができるが、(民法249条)
共有物の使用・収益の方法については管理行為にあたるので、(民法252条)
共有持分の価格が過半数を超えるときでも、共有者の1人が排他的に使用している場合、当然の明渡請求は認められない(最判昭41.5.19)。
民法249条(共有物の使用)
第二百四十九条 各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。
オ 甲土地の分割が裁判所に請求された場合において、甲土地を現物で分割することが不可能であるか、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、甲土地を競売に付し、その売得金をA、B及びCの各持分割合に応じて分割することを命じることができる。
正しい
共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができるが、
共有物の現物を分割することができないとき,または分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は,その競売を命ずることができる(民法258条)。
本肢の場合、甲土地を競売に付し、その売得金をA,B及びCの各持分割合に応じて分割することを命ずることができる。
民法258条 (裁判による共有物の分割)
第二百五十八条 共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。
2 前項の場合において、共有物の現物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。