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H22-15区分建物に関する登記

区分建物の表示に関する登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 ウオ

 

ア 区分建物の表題登記の申請をする場合において、当該区分建物が属する一棟の建物に属さない区分建物を附属建物とするときは、当該附属建物とする区分建物が属する一棟の建物に属する他の区分建物の表題登記の申請を併せてしなければならない。

 

正しい

 

区分建物が属する一棟の建物が新築された場合

該区分建物についての表題登記の申請は、

当該新築された一棟の建物に属する他の区分建物についての

表題登記の申請と併せてしなければならない。(=一括申請主義)(法48条1項)

 

この一括申請主義は、

区分建物が他の建物の附属建物となる場合にも適用されるので、

本肢の場合の区分建物の表題登記の申請をする場合において、

当該附属建物とする区分建物が属する一棟の建物に属する他の区分建物の

表題登記の申請と併せてしなければならない。 

  

法48条(区分建物についての建物の表題登記の申請方法)

第四十八条 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。
2 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、他の区分建物の所有者に代わって、当該他の区分建物についての表題登記を申請することができる。

3 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請と併せてしなければならない。

4 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、当該表題登記がある建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記を申請することができる。

 

 

イ 三つの区分建物で構成される一棟の建物に属する区分建物についての表題登記を申請する場合において、一つの区分建物についてのみ専有部分とその専有部分に係る敷地利用権の分離処分を可能とする規約を設定したときは、他の二つの区分建物についてのみ敷地権に関する事項を申請情報とすることができる。

 

正しい

 

一棟の建物に属する特定の区分建物についてのみ

分離処分可能規約(区分法22条1項ただし書)を設定することができるので、

他の区分建物についてのみ

敷地権に関する事項を申請情報とすることができる。(令別表12項・申請情報欄イ)

 

区分法22条(分離処分の禁止)

第二十二条 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。

ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。

2 前項本文の場合において、区分所有者が数個の専有部分を所有するときは、各専有部分に係る敷地利用権の割合は、第十四条第一項から第三項までに定める割合による。ただし、規約でこの割合と異なる割合が定められているときは、その割合による。

3 前二項の規定は、建物の専有部分の全部を所有する者の敷地利用権が単独で有する所有権その他の権利である場合に準用する。

  

令別表12項(建物の表題登記(十三の項及び二十一の項の登記を除く。))

 

十二
建物の表題登記(十三の項及び二十一の項の登記を除く。)
イ 建物又は附属建物について敷地権が存するときは、次に掲げる事項
(1) 敷地権の目的となる土地の所在する市、区、郡、町、村及び字並びに当該土地の地番、地目及び地積
(2) 敷地権の種類及び割合
(3) 敷地権の登記原因及びその日付
ロ 法第四十七条第二項の規定による申請にあっては、被承継人の氏名又は名称及び一般承継の時における住所並びに申請人が被承継人の相続人その他の一般承継人である旨
イ 建物図面
ロ 各階平面図
ハ 表題部所有者となる者が所有権を有することを証する情報
ニ 表題部所有者となる者の住所を証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)
ホ 建物又は附属建物が区分建物である場合において、当該区分建物が属する一棟の建物の敷地(建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第五項に規定する建物の敷地をいう。以下同じ。)について登記された所有権、地上権又は賃借権の登記名義人が当該区分建物の所有者であり、かつ、区分所有法第二十二条第一項ただし書(同条第三項において準用する場合を含む。以下同じ。)の規約における別段の定めがあることその他の事由により当該所有権、地上権又は賃借権が当該区分建物の敷地権とならないときは、当該事由を証する情報
ヘ 建物又は附属建物について敷地権が存するときは、次に掲げる情報
(1) 敷地権の目的である土地が区分所有法第五条第一項の規定により建物の敷地となった土地であるときは、同項の規約を設定したことを証する情報
(2) 敷地権が区分所有法第二十二条第二項ただし書(同条第三項において準用する場合を含む。以下同じ。)の規約で定められている割合によるものであるときは、当該規約を設定したことを証する情報
(3) 敷地権の目的である土地が他の登記所の管轄区域内にあるときは、当該土地の登記事項証明書
ト 法第四十七条第二項の規定による申請にあっては、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)

   

 

ウ 表題登記のある建物で当該建物の敷地である土地のみに抵当権の設定の登記があるものについて敷地権付きの建物の区分の登記を申請する場合において、抵当権者が抵当権の消滅を承諾したことを証する情報が提供されたときは、当該抵当権の登記が消滅した旨の登記がされる。

 

誤り

 

建物の区分の登記を申請する場合において、

添付情報として、

所有権以外の権利の消滅を消滅させることを承諾したことを証する情報が提供ができるのは、

区分前の建物に当該権利についての登記がされている場合である。(法54条3項、法40条)

本肢の建物には、抵当権の登記がされていないので、

抵当権の消滅を承諾したことを証する情報を添付情報として申請することはできないし、当該抵当権の登記が消滅した旨の登記がされることもない。 

  

法54条(建物の分割、区分又は合併の登記)

第五十四条 次に掲げる登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。
一 建物の分割の登記(表題登記がある建物の附属建物を当該表題登記がある建物の登記記録から分割して登記記録上別の一個の建物とする登記をいう。以下同じ。)
二 建物の区分の登記(表題登記がある建物又は附属建物の部分であって区分建物に該当するものを登記記録上区分建物とする登記をいう。以下同じ。)
三 建物の合併の登記(表題登記がある建物を登記記録上他の表題登記がある建物の附属建物とする登記又は表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物若しくは附属建物に合併して一個の建物とする登記をいう。以下同じ。)
2 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記は、所有者以外の者は、申請することができない。
3 第四十条の規定は、所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記をするときについて準用する。 

 

法40条(分筆に伴う権利の消滅の登記)

第四十条 登記官は、所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地について分筆の登記をする場合において、当該分筆の登記の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る土地について当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。

  

 

エ 抵当権の設定の登記がある建物を2個に区分する建物の区分の登記を申請する場合において、抵当権者が一方の区分建物についてのみ当該抵当権の消滅を承諾したことを証する情報が提供されたときは、もう一方の区分建物の登記記録にのみ抵当権の設定の登記が転写される。

 

正しい

 

所有権等の登記以外の権利に関する登記がある非区分建物についての

区分の登記の申請においては、

区分後のいずれかの建物について

当該権利に関する登記に係る権利の消滅を承諾したことを証する情報が提供できるとされ、(法54条3項、法40条)

この情報の提供があったときは、

消滅の承諾がなかった区分後の建物の登記記録にのみ

当該権利に関する登記が転写(非区分建物の区分の登記の場合は、移記)される。(規則130条1項・2項、規則104条2項・3項)

 

法54条(建物の分割、区分又は合併の登記)

第五十四条 次に掲げる登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。
一 建物の分割の登記(表題登記がある建物の附属建物を当該表題登記がある建物の登記記録から分割して登記記録上別の一個の建物とする登記をいう。以下同じ。)
二 建物の区分の登記(表題登記がある建物又は附属建物の部分であって区分建物に該当するものを登記記録上区分建物とする登記をいう。以下同じ。)
三 建物の合併の登記(表題登記がある建物を登記記録上他の表題登記がある建物の附属建物とする登記又は表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物若しくは附属建物に合併して一個の建物とする登記をいう。以下同じ。)
2 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記は、所有者以外の者は、申請することができない。
3 第四十条の規定は、所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記をするときについて準用する。 

  

法40条(分筆に伴う権利の消滅の登記)

(分筆に伴う権利の消滅の登記)
第四十条 登記官は、所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地について分筆の登記をする場合において、

当該分筆の登記の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、

法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る土地について当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。

 

規則130条(建物の区分の登記における権利部の記録方法)

第百三十条 登記官は、前条第一項の場合には、

区分後の各建物についての新登記記録の権利部の相当区に、

区分前の建物の登記記録から権利に関する登記を移記し、

かつ、建物の区分の登記に係る申請の受付の年月日及び受付番号を記録しなければならない。

この場合においては、第百二条第一項後段、第二項及び第三項並びに第百四条第一項から第三項までの規定を準用する。

2 第百二条及び第百四条第一項から第三項までの規定は、前条第三項の場合における権利に関する登記について準用する。

3 第百二十三条の規定は、前条第一項の規定による建物の区分の登記をした場合において、区分後の建物が敷地権付き区分建物となるときについて準用する。

 

規則104条(分筆に伴う権利の消滅の登記)

第百四条 法第四十条の規定による権利が消滅した旨の登記は、分筆の登記の申請情報と併せて次に掲げる情報が提供された場合にするものとする。
一 当該権利の登記名義人(当該権利が抵当権である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を消滅させることを承諾したことを証する当該登記名義人が作成した情報又は当該登記名義人に対抗することができる裁判があったことを証する情報
二 前号の権利を目的とする第三者の権利に関する登記があるときは、当該第三者が承諾したことを証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報
三 第一号の権利が抵当証券の発行されている抵当権であるときは、当該抵当証券
2 甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、法第四十条の規定により乙土地について権利が消滅した旨の登記をするときは、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記についてする付記登記によって乙土地について当該権利が消滅した旨を記録しなければならない。この場合には、第百二条第一項の規定にかかわらず、当該消滅した権利に係る権利に関する登記を乙土地の登記記録に転写することを要しない。
3 甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、法第四十条の規定により分筆後の甲土地について権利が消滅した旨の登記をするときは、分筆後の甲土地の登記記録の当該権利に関する登記についてする付記登記によって分筆後の甲土地について当該権利が消滅した旨を記録し、当該権利に関する登記を抹消する記号を記録しなければならない。
4 第二項の規定は、承役地についてする地役権の登記がある甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、乙土地に地役権が存しないこととなるとき(法第四十条の場合を除く。)について準用する。
5 第三項の規定は、承役地についてする地役権の登記がある甲土地から乙土地を分筆する分筆の登記をする場合において、分筆後の甲土地に地役権が存しないこととなるとき(法第四十条の場合を除く。)について準用する。

6 登記官は、要役地についてする地役権の登記がある土地について分筆の登記をする場合において、当該分筆の登記の申請情報と併せて当該地役権を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを証する地役権者が作成した情報が提供されたとき(当該土地を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、当該土地について当該地役権が消滅した旨を登記しなければならない。この場合においては、第一項第二号、第二項及び第三項の規定を準用する。

  

 

オ 区分建物の表題登記の申請をする場合において、建築基準法に基づき交付された確認済証上、建築場所として一棟の建物が所在する土地の地番のほかその土地に隣接する土地の地番が記載されているときは、当該隣接する土地の地番も当該区分建物の所在地番として申請情報の内容としなければならない。

 

誤り

 

区分建物の表題登記の申請情報の内容とする

1棟の建物の所在地番については、

1棟の建物が所在する土地の地番を記録すればよく、

(表題部の所在欄に記載する土地は,法定敷地であるものについては,公示上記載するのが望ましい。(昭和59年度全国首席登記官会同における質疑応答第一・2))

法定敷地ではない隣接地の地番を記録することを要しない。

 

法48条(区分建物についての建物の表題登記の申請方法)

第四十八条 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。
2 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、他の区分建物の所有者に代わって、当該他の区分建物についての表題登記を申請することができる。

3 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、

当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請と併せてしなければならない。

4 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、当該表題登記がある建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記を申請することができる。

 

 

 

出典:「土地家屋調査士試験」(法務省)(http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index5.html)を加工して作成
出典:「測量士・測量士補国家試験及び登録」(国土地理院)(https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/SHIKEN-top.htm)を加工して作成
出典: e-Gov法令検索 (https://elaws.e-gov.go.jp/)を加工して作成