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H21-15筆界特定制度

次のアからオまでの筆界特定の申請のうち、その申請が却下されるものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

1 アイ   2 アウ   3 イオ   4 ウエ   5 エオ

 

ア 対象土地以外の土地であって、特定を求める筆界上の点を含む他の筆界で対象土地と接する土地の所在が、申請を受けた法務局又は地方法務局の管轄に属しない筆界特定の申請

  

却下されない

 

対象土地以外の土地(表題登記がない土地を含む。)であって、

筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で

対象土地の一方又は双方と接するものを「関係土地」という。(法123条4号)

関係土地の所在が、

筆界特定の申請を受けた法務局又は地方法務局の管轄に属しないことは、

筆界特定の申請を却下事由とはされない。(法132条)

 

法123条(定義)

第百二十三条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 筆界 表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。
二 筆界特定 一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること(その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定すること)をいう。
三 対象土地 筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう。
四 関係土地 対象土地以外の土地(表題登記がない土地を含む。)であって、筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地の一方又は双方と接するものをいう。
五 所有権登記名義人等 所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、表題登記がない土地にあっては所有者をいい、所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。

 

法132条(申請の却下)

第百三十二条 筆界特定登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、筆界特定の申請を却下しなければならない。ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、筆界特定登記官が定めた相当の期間内に、筆界特定の申請人がこれを補正したときは、この限りでない。
一 対象土地の所在地が当該申請を受けた法務局又は地方法務局の管轄に属しないとき。
二 申請の権限を有しない者の申請によるとき。
三 申請が前条第三項の規定に違反するとき。
四 筆界特定申請情報の提供の方法がこの法律に基づく命令の規定により定められた方式に適合しないとき。
五 申請が対象土地の所有権の境界の特定その他筆界特定以外の事項を目的とするものと認められるとき。
六 対象土地の筆界について、既に民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決(訴えを不適法として却下したものを除く。第百四十八条において同じ。)が確定しているとき。

七 対象土地の筆界について、既に筆界特定登記官による筆界特定がされているとき。

ただし、対象土地について更に筆界特定をする特段の必要があると認められる場合を除く。

八 手数料を納付しないとき。
九 第百四十六条第五項の規定により予納を命じた場合においてその予納がないとき。
2 前項の規定による筆界特定の申請の却下は、登記官の処分とみなす。

 

 

イ 筆界の特定を求める裁判において係争中の筆界についてする筆界特定の申請

  

却下されない

 

対象土地の筆界について、

既に民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決が確定しているときは、

筆界特定の申請は却下されるが、(法132条6号)

その裁判において、係争中であるときは、筆界特定は却下されない。(法147条)

 

法132条(申請の却下)

第百三十二条 筆界特定登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、筆界特定の申請を却下しなければならない。ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、筆界特定登記官が定めた相当の期間内に、筆界特定の申請人がこれを補正したときは、この限りでない。
一 対象土地の所在地が当該申請を受けた法務局又は地方法務局の管轄に属しないとき。
二 申請の権限を有しない者の申請によるとき。
三 申請が前条第三項の規定に違反するとき。
四 筆界特定申請情報の提供の方法がこの法律に基づく命令の規定により定められた方式に適合しないとき。
五 申請が対象土地の所有権の境界の特定その他筆界特定以外の事項を目的とするものと認められるとき。
六 対象土地の筆界について、既に民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決(訴えを不適法として却下したものを除く。第百四十八条において同じ。)が確定しているとき。

七 対象土地の筆界について、既に筆界特定登記官による筆界特定がされているとき。

ただし、対象土地について更に筆界特定をする特段の必要があると認められる場合を除く。

八 手数料を納付しないとき。
九 第百四十六条第五項の規定により予納を命じた場合においてその予納がないとき。
2 前項の規定による筆界特定の申請の却下は、登記官の処分とみなす。

 

法147条(筆界確定訴訟における釈明処分の特則)

第百四十七条 筆界特定がされた場合において、当該筆界特定に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えが提起されたときは、裁判所は、当該訴えに係る訴訟において、訴訟関係を明瞭にするため、登記官に対し、当該筆界特定に係る筆界特定手続記録の送付を嘱託することができる。

民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えが提起された後、当該訴えに係る筆界について筆界特定がされたときも、同様とする。

 

 

ウ 表題登記のない道路と、これに接する同じく表題登記のない水路との境についてする筆界特定の申請

  

却下される

 

いずれも表題登記のない土地同士の境界は、

筆界特定制度における筆界ではないため、

筆界特定の対象にならない。

この場合は、

いずれかの土地について表題登記をする際、

当該土地の区画を現地及び地積測量図に即して定めれば足りる。(「一問一答 不動産登記法等一部改正法(筆界特定)」(商事法務刊))

  

法123条(定義)

第百二十三条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 筆界 表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。
二 筆界特定 一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること(その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定すること)をいう。
三 対象土地 筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう。
四 関係土地 対象土地以外の土地(表題登記がない土地を含む。)であって、筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地の一方又は双方と接するものをいう。
五 所有権登記名義人等 所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、表題登記がない土地にあっては所有者をいい、所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。

  

  

エ 対象土地の抵当権者がする筆界特定の申請

  

却下される 

 

土地の所有権登記名義人等は、

筆界特定登記官に対し、

当該土地とこれに隣接する他の土地との筆界について、

筆界特定の申請をすることができる。( 法131条1項)

所有権登記名義人等とは、

所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、

所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、

表題登記がない土地にあっては所有者をいい、

所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。(法123条5号)

 

よって、

土地の所有権登記名義人等にあたらない抵当権者がする筆界特定の申請は却下される。(法132条1項2号) 

 

法123条(定義)

第百二十三条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 筆界 表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。
二 筆界特定 一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること(その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定すること)をいう。
三 対象土地 筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう。
四 関係土地 対象土地以外の土地(表題登記がない土地を含む。)であって、筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地の一方又は双方と接するものをいう。
五 所有権登記名義人等 所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、表題登記がない土地にあっては所有者をいい、所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。

 

法131条(筆界特定の申請)

第百三十一条 土地の所有権登記名義人等は、筆界特定登記官に対し、当該土地とこれに隣接する他の土地との筆界について、筆界特定の申請をすることができる。
2 地方公共団体は、その区域内の対象土地の所有権登記名義人等のうちいずれかの者の同意を得たときは、筆界特定登記官に対し、当該対象土地の筆界(第十四条第一項の地図に表示されないものに限る。)について、筆界特定の申請をすることができる。
3 筆界特定の申請は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。
一 申請の趣旨
二 筆界特定の申請人の氏名又は名称及び住所
三 対象土地に係る第三十四条第一項第一号及び第二号に掲げる事項(表題登記がない土地にあっては、同項第一号に掲げる事項)
四 対象土地について筆界特定を必要とする理由
五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
4 筆界特定の申請人は、政令で定めるところにより、手数料を納付しなければならない。
5 第十八条の規定は、筆界特定の申請について準用する。この場合において、同条中「不動産を識別するために必要な事項、申請人の氏名又は名称、登記の目的その他の登記の申請に必要な事項として政令で定める情報(以下「申請情報」という。)」とあるのは「第百三十一条第二項各号に掲げる事項に係る情報(第二号、第百三十二条第一項第四号及び第百五十条において「筆界特定申請情報」という。)」と、「登記所」とあるのは「法務局又は地方法務局」と、同条第二号中「申請情報」とあるのは「筆界特定申請情報」と読み替えるものとする。

  

法132条(申請の却下)

第百三十二条 筆界特定登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、筆界特定の申請を却下しなければならない。ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、筆界特定登記官が定めた相当の期間内に、筆界特定の申請人がこれを補正したときは、この限りでない。
一 対象土地の所在地が当該申請を受けた法務局又は地方法務局の管轄に属しないとき。
二 申請の権限を有しない者の申請によるとき。
三 申請が前条第三項の規定に違反するとき。
四 筆界特定申請情報の提供の方法がこの法律に基づく命令の規定により定められた方式に適合しないとき。
五 申請が対象土地の所有権の境界の特定その他筆界特定以外の事項を目的とするものと認められるとき。
六 対象土地の筆界について、既に民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る判決(訴えを不適法として却下したものを除く。第百四十八条において同じ。)が確定しているとき。

七 対象土地の筆界について、既に筆界特定登記官による筆界特定がされているとき。

ただし、対象土地について更に筆界特定をする特段の必要があると認められる場合を除く。

八 手数料を納付しないとき。
九 第百四十六条第五項の規定により予納を命じた場合においてその予納がないとき。
2 前項の規定による筆界特定の申請の却下は、登記官の処分とみなす。

 

 

  

オ 一筆の土地の一部の所有権を取得した者が、取得した部分以外の土地部分の筆界についてする筆界特定の申請

  

却下されない

 

 筆界特定の申請をすることができる者は、

土地の所有権登記名義人等のほか、

一筆の土地の一部の所有権を取得した者も、

当該土地を対象土地の一つとする

筆界特定の申請をすることができる。(規則207条2項4号)

この場合、

申請人が所有権を取得した土地の部分が

筆界特定の対象となる筆界に接していることを要しない。(平成17・12・6民二2760号通達第3・(A)・14)

 

規則207条(筆界特定申請情報)

第二百七条 法第百三十一条第三項第四号に掲げる事項として明らかにすべきものは、筆界特定の申請に至る経緯その他の具体的な事情とする。
2 法第百三十一条第三項第五号の法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
一 筆界特定の申請人(以下この章において単に「申請人」という。)が法人であるときは、その代表者の氏名
二 代理人によって筆界特定の申請をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名
三 申請人が所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び所有権の登記名義人又は表題部所有者の氏名又は名称及び住所
四 申請人が一筆の土地の一部の所有権を取得した者であるときは、その旨
五 申請人が法第百三十一条第二項の規定に基づいて筆界特定の申請をする地方公共団体であるときは、その旨
六 対象土地が表題登記がない土地であるときは、当該土地を特定するに足りる事項
七 工作物、囲障又は境界標の有無その他の対象土地の状況
3 筆界特定の申請においては、法第百三十一条第三項第一号から第四号まで及び前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を筆界特定申請情報の内容とするものとする。
一 申請人又は代理人の電話番号その他の連絡先
二 関係土地に係る不動産所在事項又は不動産番号(表題登記がない土地にあっては、法第三十四条第一項第一号に掲げる事項及び当該土地を特定するに足りる事項)
三 関係人の氏名又は名称及び住所その他の連絡先
四 工作物、囲障又は境界標の有無その他の関係土地の状況
五 申請人が対象土地の筆界として特定の線を主張するときは、その線及びその根拠
六 対象土地の所有権登記名義人等であって申請人以外のものが対象土地の筆界として特定の線を主張しているときは、その線
七 申請に係る筆界について民事訴訟の手続により筆界の確定を求める訴えに係る訴訟(以下「筆界確定訴訟」という。)が係属しているときは、その旨及び事件の表示その他これを特定するに足りる事項
八 筆界特定添付情報の表示
九 法第百三十九条第一項の規定により提出する意見又は資料があるときは、その表示
十 筆界特定の申請の年月日
十一 法務局又は地方法務局の表示
4 第二項第六号及び第七号並びに前項第二号(表題登記がない土地を特定するに足りる事項に係る部分に限る。)及び第四号から第六号までに掲げる事項を筆界特定申請情報の内容とするに当たっては、図面を利用する等の方法により、現地の状況及び筆界として主張されている線の位置を具体的に明示するものとする。

 

平成17・12・6民二2760号通達第3・(A)・14

第3 筆界特定の申請手続

(A)申請権者

(申請権者)

14 筆界特定の申請をすることができる者は,土地の所有権登記名義人等である(法第131条第1項)。

その他,1筆の土地の一部の所有権を取得した者も,当該土地を対象土地の1つとする筆界特定の申請をすることができる(規則第207条第2項第4号参照)。

1筆の土地の一部の所有権を取得した原因は問わない。例えば,1筆の土地の一部を時効取得した者,1筆の土地の一部の所有権を売買その他の原因により承継取得した者のいずれも1筆の土地の一部の所有権を取得した者として申請をすることができる。

また,申請人が所有権を取得した土地の部分が筆界特定の対象となる筆界に接していることを要しない。

申請の権限を有しない者がした申請は,法第132条第1項第2号により却下する。

 

 

出典:「土地家屋調査士試験」(法務省)(http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index5.html)を加工して作成
出典:「測量士・測量士補国家試験及び登録」(国土地理院)(https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/SHIKEN-top.htm)を加工して作成
出典: e-Gov法令検索 (https://elaws.e-gov.go.jp/)を加工して作成