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H20-5建物の表題部の変更又は更生登記

次の対話は、建物に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

1 アイ   2 アオ   3 イウ   4 ウエ   5 エオ

 

教授: 既登記の建物が老朽化したので、外壁の化粧材をすべて張り替えて、屋根も和瓦から洋瓦にふき替える大規模改修工事を行った場合は、用途変更がなかったとしても建物に関する登記は必要ですか。
学生:ア 外壁材をすべて張り替えて屋根材まで変更する大規模改修工事を行ったのですから、建物の表題部の変更の登記が必要になります。

 

誤り

 

建物の構造は、建物の主な部分(柱、梁、床面等)の構成材料、屋根の種類及び階数により表示するが、(規則114条)

外壁の化粧材をすべて張り替えただけでは構造に変更があったとはいえない。

屋根を和瓦から洋瓦にふき替える場合でも、「かわらぶき」の表示に変更はなく、構造(屋根の種類)に変更があったとはいえない。(建物認定)

よって、建物の表題部の変更の登記を要しない。

 

規則114条 (建物の構造)

第百十四条 建物の構造は、建物の主な部分の構成材料、屋根の種類及び階数により、次のように区分して定め、これらの区分に該当しない建物については、これに準じて定めるものとする。
一 構成材料による区分
イ 木造
ロ 土蔵造
ハ 石造
ニ れんが造
ホ コンクリートブロック造
ヘ 鉄骨造
ト 鉄筋コンクリート
チ 鉄骨鉄筋コンクリート
二 屋根の種類による区分
イ かわらぶき
ロ スレートぶき
ハ 亜鉛メッキ鋼板ぶき
ニ 草ぶき
ホ 陸屋根
三 階数による区分
イ 平家建
ロ 二階建(三階建以上の建物にあっては、これに準ずるものとする。)

   
法51条(建物の表題部の変更の登記)

第五十一条 第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、当該変更があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
2 前項の登記事項について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
3 第一項の登記事項について変更があった後に共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記があったときは、所有者(前二項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がされた日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
4 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について、第一項の登記事項について変更があった後に所有権を取得した者(前項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
5 建物が区分建物である場合において、第四十四条第一項第一号(区分建物である建物に係るものに限る。)又は第七号から第九号までに掲げる登記事項(同号に掲げる登記事項にあっては、法務省令で定めるものに限る。次項及び第五十三条第二項において同じ。)に関する変更の登記は、当該登記に係る区分建物と同じ一棟の建物に属する他の区分建物についてされた変更の登記としての効力を有する。
6 前項の場合において、同項に規定する登記事項に関する変更の登記がされたときは、登記官は、職権で、当該一棟の建物に属する他の区分建物について、当該登記事項に関する変更の登記をしなければならない。

 

 

教授: ところで、建物の所有権の登記名義人Aの息子Bが全額を負担して増築工事を行い、AがBにその出資に見合った当該建物の持分の譲渡をした場合において、工事完了後の増築部分が区分建物の要件を満たしていないときは、どのような登記を行いますか。 
学生:イ 区分建物ではないので、共有者であるAと息子Bの2人からの申請により、床面積が増加したことによる建物の表題部の変更の登記を行います。

 

誤り

 

A名義の甲建物に第三者Bが増築工事を行った場合でも、

増築部分が区分建物の要件を満たさないときは、

甲建物の床面積が増加したことによる建物の表題部の変更の登記を申請する。

この登記の申請人は、その建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人である。(法51条1項)

本肢の場合、増築工事代金の出資に見合った建物の持分を譲渡しているが、(民法248条)

そのことを原因とする所有権の一部移転の登記を完了しているかどうかは不明であり、仮に未了である場合には、

AとBの二人から建物の表題部の変更の登記を申請することはできない。(申請適格者はA一人である。)

   

法51条(建物の表題部の変更の登記)

第五十一条 第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、当該変更があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
2 前項の登記事項について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
3 第一項の登記事項について変更があった後に共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記があったときは、所有者(前二項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がされた日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
4 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について、第一項の登記事項について変更があった後に所有権を取得した者(前項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
5 建物が区分建物である場合において、第四十四条第一項第一号(区分建物である建物に係るものに限る。)又は第七号から第九号までに掲げる登記事項(同号に掲げる登記事項にあっては、法務省令で定めるものに限る。次項及び第五十三条第二項において同じ。)に関する変更の登記は、当該登記に係る区分建物と同じ一棟の建物に属する他の区分建物についてされた変更の登記としての効力を有する。
6 前項の場合において、同項に規定する登記事項に関する変更の登記がされたときは、登記官は、職権で、当該一棟の建物に属する他の区分建物について、当該登記事項に関する変更の登記をしなければならない。

 
民法248条(付合、混和又は加工に伴う償金の請求)

第二百四十八条 第二百四十二条から前条までの規定の適用によって損失を受けた者は、第七百三条及び第七百四条の規定に従い、その償金を請求することができる。

  
  
教授: では、上記の質問で、もし、A所有の建物が未登記だった場合は、どのような登記ができますか。
学生:ウ 建物が未登記の場合は、建物の表題部の変更の登記をすることができませんので、AとBを共有者とする建物の表題登記を行うことになります。

 

正しい

 

A所有の非区分建物が未登記だった場合、

現時点の所有者から直接現況で表題登記を申請するので、

AとBを共有者とする建物の表題登記を行う。

 

法47条(建物の表題登記の申請)

第四十七条 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。
2 区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。

 

 

教授: それでは、登記されている建物に附属建物があり、この附属建物だけ取り壊したときは、どのような登記を行いますか。
学生:エ 附属建物の取壊しの場合は、附属建物の滅失の登記を行うのではなく、建物の表題部の変更の登記を行います。

正しい

 

登記されている建物に附属建物があり、この附属建物だけ取り壊したときは、

不動産登記法には附属建物の滅失の登記に関する規定がなく、

建物の一部取壊し等の場合と同じく、

その附属建物の表示を抹消する建物の表題部の変更の登記を行う。(不動産登記法51条、規則91条)

 
法51条(建物の表題部の変更の登記)

第五十一条 第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、当該変更があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
2 前項の登記事項について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
3 第一項の登記事項について変更があった後に共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記があったときは、所有者(前二項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がされた日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
4 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について、第一項の登記事項について変更があった後に所有権を取得した者(前項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
5 建物が区分建物である場合において、第四十四条第一項第一号(区分建物である建物に係るものに限る。)又は第七号から第九号までに掲げる登記事項(同号に掲げる登記事項にあっては、法務省令で定めるものに限る。次項及び第五十三条第二項において同じ。)に関する変更の登記は、当該登記に係る区分建物と同じ一棟の建物に属する他の区分建物についてされた変更の登記としての効力を有する。
6 前項の場合において、同項に規定する登記事項に関する変更の登記がされたときは、登記官は、職権で、当該一棟の建物に属する他の区分建物について、当該登記事項に関する変更の登記をしなければならない。

 
規則91条 (表題部の変更の登記又は更正の登記)

第九十一条 登記官は、表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記をするときは、変更前又は更正前の事項を抹消する記号を記録しなければならない。

 

教授: では、附属建物として登記されている建物部分を取り壊し、その附属建物と種類・構造・床面積がすべて同じ附属建物を、全く同じ位置に新しく建て直した場合はどうなりますか。
学生:オ 不動産の表示に関する登記は、不動産の現況を公示するものですから、種類・構造・床面積がすべて同一で位置も全く同一ならば、現況と登記が一致していることになります。したがって、当該附属建物の建物図面及び各階平面図の変更が必要なく、建物が一致しているので、建物の表題部の変更の登記は必要ありません。

誤り

 

附属建物として登記されている建物部分を取り壊し、その附属建物と種類・構造・床面積がすべて同じ附属建物を、全く同じ位置に新しく建て直した場合でも、

これらの建物は別個の建物とされ、

既存の附属建物が滅失し、新たな附属建物が新築されたものとして取り扱う。(準則83条)

よって、取り壊された附属建物の表示を抹消し、新築した附属建物の表示を記録する、建物の表題部の変更の登記が必要になる。(法51条)

 

準則83条(建物の再築)

既存の建物全部を取り壊し,その材料を用いて建物を建築した場合(再築)は,既存の建物が滅失し,新たな建物が建築されたものとして取り扱うものとする。

  

法51条(建物の表題部の変更の登記)

第五十一条 第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項について変更があったときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、当該変更があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
2 前項の登記事項について変更があった後に表題部所有者又は所有権の登記名義人となった者は、その者に係る表題部所有者についての更正の登記又は所有権の登記があった日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
3 第一項の登記事項について変更があった後に共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記があったときは、所有者(前二項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がされた日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
4 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について、第一項の登記事項について変更があった後に所有権を取得した者(前項の規定により登記を申請しなければならない者を除く。)は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該登記事項に関する変更の登記を申請しなければならない。
5 建物が区分建物である場合において、第四十四条第一項第一号(区分建物である建物に係るものに限る。)又は第七号から第九号までに掲げる登記事項(同号に掲げる登記事項にあっては、法務省令で定めるものに限る。次項及び第五十三条第二項において同じ。)に関する変更の登記は、当該登記に係る区分建物と同じ一棟の建物に属する他の区分建物についてされた変更の登記としての効力を有する。
6 前項の場合において、同項に規定する登記事項に関する変更の登記がされたときは、登記官は、職権で、当該一棟の建物に属する他の区分建物について、当該登記事項に関する変更の登記をしなければならない。

 

 

出典:「土地家屋調査士試験」(法務省)(http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index5.html)を加工して作成
出典:「測量士・測量士補国家試験及び登録」(国土地理院)(https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/SHIKEN-top.htm)を加工して作成
出典: e-Gov法令検索 (https://elaws.e-gov.go.jp/)を加工して作成