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H20-1質権

不動産質に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イオ   5 ウエ

 

ア 質権者は、被担保債権の全部の弁済を受けるまでは、質権の目的である不動産の全部についてその権利を行使することができる。

 

正しい

 

留置権および先取特権規定は質権に準用され、)質権は不可性を有するため、(民法350条、民法296条)

質権者は、被担保債権の全部の弁済を受けるまでは、質権の目的物の全部を留置し、かつ目的物の全部について競売することができる。

 

民法350条(留置権及び先取特権の規定の準用)

第三百五十条 第二百九十六条から第三百条まで及び第三百四条の規定は、質権について準用する。

  

民法296条(留置権の不可分性)

第二百九十六条 留置権者は、債権の全部の弁済を受けるまでは、留置物の全部についてその権利を行使することができる。

  

 

イ 質権者は、質権設定者の承諾を得なければ、質権の目的である不動産について転質をすることができない。

 

誤り

 

転質とは、質権者がその質物をさらに自分の債務の担保をすることをいい、

質権設定者の承諾を得て行う承諾転質と、(民法350 条、民法298条2項本文)

質権設定者の承諾を得ずに自己の責任で行う責任転質も認められる。 (民法348条前段)

責任転質の場合、転質をしたことによって生じた損失について、不可抗力によるものであっても、その責任を負う。(民法348 条後段)

 

民法350条(留置権及び先取特権の規定の準用)

第三百五十条 第二百九十六条から第三百条まで及び第三百四条の規定は、質権について準用する。

  

民法348条(転質)

第三百四十八条 質権者は、その権利の存続期間内において、自己の責任で、質物について、転質をすることができる。

この場合において、転質をしたことによって生じた損失については、不可抗力によるものであっても、その責任を負う。

  

 

ウ 質権者は、質権設定者の承諾を得なければ、質権の目的である不動産の使用及び収益をすることができない。

 

誤り

 

質権者は、設定者の承諾がなければ目的物を使用及び収益をすることができないのが原則であるが、(民法350条、民法298条2項)

不動産質権者は、その使用及び収益(収取含む)をすることができる。(民法356条)

 

民法350条(留置権及び先取特権の規定の準用)

第三百五十条 第二百九十六条から第三百条まで及び第三百四条の規定は、質権について準用する。

  

民法298条  (留置権者による留置物の保管等)

第二百九十八条 留置権者は、善良な管理者の注意をもって、留置物を占有しなければならない。
2 留置権者は、債務者の承諾を得なければ、留置物を使用し、賃貸し、又は担保に供することができない。ただし、その物の保存に必要な使用をすることは、この限りでない。
3 留置権者が前二項の規定に違反したときは、債務者は、留置権の消滅を請求することができる。

 

民法356条(不動産質権者による使用及び収益)

第三百五十六条 不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる。

 

 

エ 同一の不動産について数個の質権が設定されたときは、その質権の順位は、登記の前後による。

 

誤り

 

不動産質の対抗要件は、登記であり、(民法177条)

同一の不動産に数個の質権が設定されたとき、その質権の順位は、登記の前後による。(法4条1項)

 

民法177条 (不動産に関する物権の変動の対抗要件

第百七十七条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。 

 

法4条(権利の順位)

第四条 同一の不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記の前後による。
2 付記登記(権利に関する登記のうち、既にされた権利に関する登記についてする登記であって、当該既にされた権利に関する登記を変更し、若しくは更正し、又は所有権以外の権利にあってはこれを移転し、若しくはこれを目的とする権利の保存等をするもので当該既にされた権利に関する登記と一体のものとして公示する必要があるものをいう。以下この項及び第六十六条において同じ。)の順位は主登記(付記登記の対象となる既にされた権利に関する登記をいう。以下この項において同じ。)の順位により、同一の主登記に係る付記登記の順位はその前後による。

 

 

オ 質権は、金銭以外の物の引渡請求権を被担保債権として、設定することができる。

 

正しい

 

質権により担保される債権は、金銭債権であるのが一般的だが、

金銭以外の物の引渡請求権(例えば、特定物の給付や特定の行為を目的とする債権)を被担保債権として設定することもできる。 

 

民法342条(質権の内容)

第三百四十二条 質権者は、その債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、かつ、その物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

 

 

  

 

 

出典:「土地家屋調査士試験」(法務省)(http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index5.html)を加工して作成
出典:「測量士・測量士補国家試験及び登録」(国土地理院)(https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/SHIKEN-top.htm)を加工して作成
出典: e-Gov法令検索 (https://elaws.e-gov.go.jp/)を加工して作成