H20-1質権
不動産質に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
1 アエ 2 アオ 3 イウ 4 イオ 5 ウエ
イ 質権者は、質権設定者の承諾を得なければ、質権の目的である不動産について転質をすることができない。
誤り
転質とは、質権者がその質物をさらに自分の債務の担保をすることをいい、
質権設定者の承諾を得て行う承諾転質と、(民法350 条、民法298条2項本文)
質権設定者の承諾を得ずに自己の責任で行う責任転質も認められる。 (民法348条前段)
責任転質の場合、転質をしたことによって生じた損失について、不可抗力によるものであっても、その責任を負う。(民法348 条後段)
民法348条(転質)
第三百四十八条 質権者は、その権利の存続期間内において、自己の責任で、質物について、転質をすることができる。
この場合において、転質をしたことによって生じた損失については、不可抗力によるものであっても、その責任を負う。
エ 同一の不動産について数個の質権が設定されたときは、その質権の順位は、登記の前後による。
誤り
不動産質の対抗要件は、登記であり、(民法177条)
同一の不動産に数個の質権が設定されたとき、その質権の順位は、登記の前後による。(法4条1項)
法4条(権利の順位)
第四条 同一の不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記の前後による。
2 付記登記(権利に関する登記のうち、既にされた権利に関する登記についてする登記であって、当該既にされた権利に関する登記を変更し、若しくは更正し、又は所有権以外の権利にあってはこれを移転し、若しくはこれを目的とする権利の保存等をするもので当該既にされた権利に関する登記と一体のものとして公示する必要があるものをいう。以下この項及び第六十六条において同じ。)の順位は主登記(付記登記の対象となる既にされた権利に関する登記をいう。以下この項において同じ。)の順位により、同一の主登記に係る付記登記の順位はその前後による。