H17-15土地の表題部の変更または更正登記
地積に関する更正の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
1 アイ 2 アウ 3 イエ 4 ウオ 5 エオ
ア 登記記録の地積に錯誤があるにもかかわらず、当該土地の所有権の登記名義人がその更正の登記をしないまま第三者に所有権を移転した場合には、新たな所有者は、その更正の登記の申請をしなければならない。
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登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。
→新たな所有者は、所有権の移転の登記を受けた後でなければ、更正の登記の申請することができない。
なお、更正の登記は、錯誤がいつ生じたか不明であり、申請期間、申請義務はない。(法38条、法53条)
法38条(土地の表題部の更正の登記の申請)
第三十八条 第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第三十四条第一項第一号、第三号若しくは第四号に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。
イ 抵当権の設定の登記がされた土地について地積に関する更正の登記の申請をする場合には、抵当権の登記名義人が承諾したことを証する情報を申請情報と併せて提供しなければならない。
○
土地の地積に関する更生・変更の登記の申請をする場合には、(地積が変化するが)
抵当権の登記名義人が承諾したことを証する情報(権利者からの承諾書)は、添付情報とはならない。(令別表6項・添付情報欄)
令別表6項(地積に関する変更の登記又は更正の登記(十一の項の登記を除く。))
六 地積に関する変更の登記又は更正の登記(十一の項の登記を除く。) 変更後又は更正後の地積 地積測量図
ウ 共有名義の土地の地積に関する更正の登記の申請は、共有者として登記されている登記名義人のうちの1人が単独ですることができる。
○
土地の地積に関する更正の登記の申請は保存行為として、共有者の1人から申請することができる。(民法252条ただし書、法30条)
法30条(一般承継人による申請)
第三十条 表題部所有者又は所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる。
エ 地積に関する更正の登記の申請をする場合において、地積が増加するときは、その増加部分について表題部所有者又は所有権の登記名義人が所有権を有することを証する情報を申請情報と併せて提供しなければならない。
○
地積に関する更正の登記の申請をする場合、地積が増加するときでも、
土地の筆界に変化はなく、新たな土地の所有権の取得はない。
→所有権証明情報は添付情報とはならない。(令別表6項・添付情報欄)
令別表6項(地積に関する変更の登記又は更正の登記(十一の項の登記を除く。))
六 地積に関する変更の登記又は更正の登記(十一の項の登記を除く。) 変更後又は更正後の地積 地積測量図
オ 登記記録の地積に錯誤がある土地の一部を買い受けた者は、当該土地の所有権の登記名義人に代位して分筆の登記の申請をする前提として、当該所有権の登記名義人に代位して地積に関する更正の登記の申請をすることができる。
○
登記記録の地積に錯誤がある土地の一部を買い受けた者は,
当該土地の所有権の登記名義人に代位して分筆の登記を申請する前提として,
当該所有権の登記名義人に代位して地積に関する更正の登記の申請をすることができる(登記研究 398号93頁)。
法38条(土地の表題部の更正の登記の申請)
第三十八条 第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第三十四条第一項第一号、第三号若しくは第四号に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。