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R2-22建物書式

次の〔調査図〕のとおり,A市B区T町三丁目 39 番 3 の土地上には二個の建物が現存しており,同土地上には,上記二個の建物のほかに一個の建物(以下「本件旧建物」という。)が存在していたが,取り壊されて現存していない。また,これらの建物の南側には,次の〔平面図〕のとおり,一個の建物(以下「本件新建物」という。)が現存している (〔調査図〕における本件新建物の記載は省略する。)。
土地家屋調査士民事花子は,【事実関係】のとおり,五輪松子から,表示に関する登記についての相談を受けて事情を聴取し,必要となる全ての表示に関する登記の申請手続についての代理並びに当該登記に必要な調査及び測量の依頼を受け,現地の測量並びに 【建物図面】及び【登記記録】の内容のとおり登記記録等を調査した上,必要となる登記の申請をした。
 以上に基づき,次の問 1 から問 4 までに答えなさい。

 

①前文、調査図:「申請人」、「対象建物」、「申請する登記」を読み取る。

・申請人 :五輪松子 
・対象建物 :A市B区T町三丁目39番3の土地上に存在していた本件旧建物及び、その南側に現存する本件新建物。
・申請する登記:本件旧建物は取り壊され現存しない→「建物滅失登記」。本件新建物については不明。 

調査図には2個の現存建物の記載のみで、取り壊した本件旧建物、現存する本件新建物の記載はない。

 

 

問 1  別紙第 22 問答案用紙の第 1 欄の空欄を埋めて,土地家屋調査土民事花子が申請すべき本件旧建物に関する登記の申請書を完成させなさい。なお,申請書の文字については,不動産登記規則 45 条の定めにのっとるものとする。ただし,文字の訂正,加入又は削除をしたときは,その旨及びその字数や押印を記載することを要しない。

 

③ 問:先に問を読み、別紙の 「○:重要事項」を知る。まだ「×:理解できない部分」は読み飛ばす。

 

問1:登記申請書:本件旧建物の「建物滅失登記」

 

 

問 2  土地家屋調査士民事花子は,五輪松子から,「今後,一番北側にある建物については,解体移転又はえい行移転の方法により,本件旧建物を取り壊した場所に移動させようと考えていますが,表示に関する登記ではそれぞれどのような手続が必要になりますか。」との質問を受けた。この質問に対し,解体移転の場合とえい行移転の場合のそれぞれについて,土地家屋調査士民事花子が説明すべき適切な内容とし て,①表示に関する登記の申請義務の有無及び申請義務がある場合には申請すべき登記の目的並びに②その理由を,別紙第 22 問答案用紙の第 2 欄の該当欄に記載しなさい。

 

問2:解体移転又はえい行移転の登記手続 
× 現時点で、本件旧建物を取り壊した場所が不明→読み飛ばす。 

 

 

問 3  別紙第 22 問答案用紙の第 3 欄の登記申請書の空欄を埋めて,土地家屋調査士民事花子が申請すべき本件新建物に関する登記の申請書を完成させなさい。なお,申請書の文字については,不動産登記規則 45 条の定めにのっとるものとする。ただし,文字の訂正,加入又は削除をしたときは,その旨及びその字数や押印を記載することを要しない。

 

問3:登記申請書2 :本件新建物の「建物表題登記」

 

 

問 4  別紙第 22 問答案用紙の第 4 欄を用いて,問 3 の登記の申請書に添付する建物図面及び各階平面図を完成させなさい。なお,建物図面及び各階平面図の文字については,不動産登記規則 45 条の定めにのっとるものとする。ただし,文字の訂正, 加入又は削除をしたときは,その旨及びその字数や押印を記載することを要しない。

 

問4:本件新建物の「建物表題登記」に添付する建物図面及び各階平面図

 

 

(注)
1  本問における行為は全て適法に行われており,法律上必要な書類は全て適法に作成されているものとする。
2  登記の申請は,書面申請の方法によってするものとする。
3  建物図面は 500 分の 1 の縮尺により,各階平面図は 250 分の 1 の縮尺により,それぞれ作成すること。
4  建物図面に記載する距離の単位は,小数点以下第 1 位までとすること。
5  訂正,加入又は削除をしたときは,訂正は訂正する字句に線を引き,近接箇所に訂正後の字句を記載し,加入は加入する部分を明示して行い,削除は削除する字句に線を引いて,訂正,加入又は削除をしたことが明確に分かるように記載すること。

 

②注意事項:「×例年同様な事項」、「○例外的な事項」をチェック。
・注1:適法であり書類が揃っている:×
・注2:書面申請:×
・注3:建物図面 500 分の 1 ,各階平面図 250 分の 1 :×
・注4: ○ 建物図面に記載する距離の単位は,小数点以下1 位まで
・注5:訂正方法:×

 

 

 

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(注)
1  距離の単位はメートルである。
2 (  )内の数字は,土地の地番である。
3  建物の測定値は,外壁等の隅角部を測定した距離である。また隅角部は全て直角である。
4 〔  〕内の距離は敷地と建物の1 階の外壁との距離である。
5  本件新建物は,鉄骨造合金メッキ鋼板ぶきで建築されており,柱の外側に壁がある。壁の厚さは全ての部分で 10 センチメートルであり,壁の中心線は測定した壁の隅角部から 5 センチメートル内側である。
6  建物各階の天井までの高さは,全て 2.7 メートル以上である。
7  ☆及び★印の柱は,各階の重なっている位置を示す。
8  EVは 2 階住戸B及び 3 階住戸Cへの専用エレベータ室を示している。
9  外階段は 1 階から 3 階まであり, 2 階で住戸A及び住戸Bの玄関に接続し, 3 階で住戸Cの玄関に接続する。外階段並びに 2 階及び 3 階のバルコニーは外気分断性を有しない。

 

 

【事実関係】

1  五輪松子は,A市B区T町三丁目 39 番 3 ,同所 42 番 1 ,同所 42 番 2 ,同所 42 番 3 及び 同所 43 番の土地を所有しており,令和 2 年 9 月 18 日に本件新建物を新築し,建築業者から本件新建物の引渡しを受けた。その後,五輪松子は,薬剤師である長男・五輪梅一郎に対し,本件新建物の 1 階部分と 3 階部分を賃貸した。

 

④別紙:③問に答える「○:重要事項」を読み取る。

別紙1:事実関係 1
令和 2 年 9 月 18 日本件新建物を新築→建物表題登記を申請。

 

 

2  その後,五輪松子は,五輪梅一郎から, 1 階ポーチ部分(〔平面図〕内の参考図を参照)について,薬局への外気の吹きつけを緩和するため,新たに建具等を設置して欲しいとの依頼を受けたため,直ちに,同部分について外気分断性の備わった建具と壁を設置してエントラン スとする工事を行い,令和 2 年 10 月 12 日に工事が完成した。

 

別紙1:事実関係 2
(建物表題登記申請前である)令和 2 年 10 月 12 日、本件新建物1階ポーチ部分を増築→建物表題登記において記載

 

 

3  五輪松子は,A市B区T町三丁目 39 番地 3 に住所を有していたが,令和 2 年 10 月 3 日, 本件新建物の 2 階住居Bに転居し,A市B区役所で同町三丁目 42 番地 2 への転居の手続を行った。

 

別紙1:事実関係 3 
五輪松子は, 令和2年10月3日住所移転→本件旧建物の建物滅失登記時に登記記録上の住所と異なる。

 

 

4  現在,本件新建物の 1 階部分は薬局として, 2 階部分は五輪松子とその姉の共同住宅として, 3 階部分は五輪梅一郎の住宅として,それぞれ利用されている。なお,五輪松子は,本件新建物を区分建物ではない建物として登記することを希望している。

 

別紙1:事実関係 4
1階を薬局、2階及び3階を共同住宅として使用→種類「共同住宅・店舗」  

 

 

5  令和 2 年 10 月 12 日に本件旧建物の取壊し工事が完了したが,五輪松子は,その家屋番号を失念していたため,土地家屋調査士民事花子に対し,家屋番号の特定の依頼を併せて行った。

 

別紙1:事実関係 5
五輪松子
家屋番号を失念→令和 2 年 10 月 12 日取壊しによる建物滅失登記を行う本件旧建物を特

 

 

6  五輪松子は,申請件数が最も少なくなるように登記を申請することを希望している。

 

7  土地家屋調査士民事花子は,令和 2 年 10 月 13 日に五輪松子から,本件新建物及び本件旧建物について,必要となる全ての表示に関する登記の申請手続についての代理並びに当該登記に必要な調査及び測量の依頼を受け,同月 16 日,必要となる表示に関する登記の申請を行った。

 

 

 

 

 

【建物図面】

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39番3の土地上に存する建物の建物図面 

〔調査図]と照合し,現存建物は、39番 3及び 39番3の2と特定。→取り壊した建物は、39番3 の4 と特定。

 

 

 

 

 

 

【登記記録】

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39番3の土地上に存する建物の登記記録 

39番3の4の建物滅失登記→従前の登記記録を転写。

 

 

答案用紙

 

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解説

 

1.問題把握

 

手順①~④により問題把握が完了。
①前文、調査図:「申請人」「対象土地」「申請する登記」を読み取る。
②注意事項:「×例年同様な事項」、「○例外的な事項」をチェック。
③問:先に問を読み、別紙の 「○:重要事項」を知る。この時点で「×:理解できない部分」は読み飛ばす。
④別紙:③問に答える「○:重要事項」を読み取る。

 

・本件旧建物の「建物滅失登記」を申請(登記名義人の住所移転により、「変更証明書」を添付)
・本件新建物の「建物表題登記」を申請→「建物図面」及び「各階平面図」を作図 

 

 

2.各階平面図の作図

 

作図メモ:建物の形状の左上を原点としたX座標とY座標の累計の数値をメモ
記載事項:床面積、求積表を記載
床面積の計算:柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積を計算

 

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3.建物図面の作図 

本件新建物の位置が不明
→〔調査図〕の座標一覧表及び〔平面図〕より、建物の所在を特定
→作図の結果、本件新建物の所在は「A市B区T町三丁目 42番地2、42番地1」

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4.登記申請書 


1 本件旧建物の建物滅失登記

登記の目的 :建物滅失登記

添付情報 :代理権限証書・変更証明書(所有権の登記名義人五輪松子の登記記録上の住所と現住所が異なるため。法定添付書類ではない→無しでも減点されない)

申請人:A市B区T町三丁目 42番地2 五輪松子 

建物の表示:39番3の4の建物について記載。
・①行目
従前の登記記録から,主である建物の家屋番号,種類,構造,床面積を転写
登記原因及びその日付:主である建物の取壊しの日付→「令和2年10月12日取壊し」 
・②行目
附属建物の符号,種類,構造,床面積を記録
登記原因及びその日付:滅失登記の場合、附属建物の登記原因及びその日付は記載しない

 

2 本件新建物の建物表題登記

登記の目的:建物表題登記 

添付情報: 建物図面・各階平面図・所有権証明書・住所証明書・代理権限証書

申請人:A市B区T町三丁目 42番地2 五輪松子

建物の表示:
・①行目
所在:床面積の多い部分の存する土地の地番から先に記載→「A市B区T町三丁目 42 番地2, 42番地1」  
家屋番号:空白 (登記所が付番)
建物の種類,構造,床面積:平面図及び計算結果から記載
登記原因及びその日付:建物の新築工事が完了した日付+増築工事が完了した日付→「令和2年9月18日新築 令和2年10月12日増築」

 

 

5.問2(解体移転・えい行移転)

解体移転の場合、解体した建物と移転して建築する建物との間の同一性は失われるため、解体した建物の滅失登記を行い、移転して建築した新たな建物の表題登記を行う。 
えい行移転の場合、移転前と移転後の建物の同一性は失われず、さらに同一敷地内でのえい行移転では所在に変更がないため、登記申請を要しない。(このとき、表題部の所在に変更はないが、建物の位置が物理的に変更したため、建物図面の変更の申出は可。 )

 

 

 

解答例
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出典:「土地家屋調査士試験」(法務省)(http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index5.html)を加工して作成
出典:「測量士・測量士補国家試験及び登録」(国土地理院)(https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/SHIKEN-top.htm)を加工して作成
出典: e-Gov法令検索 (https://elaws.e-gov.go.jp/)を加工して作成