H22-19登記識別情報
登記識別情報に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
1 アエ 2 アオ 3 イウ 4 イオ 5 ウエ
ア 所有権の登記がある土地の合筆の登記の申請を電子申請の方法でした場合における登記識別情報の通知は、申請人からの申出があっても、登記識別情報を記載した書面を送付して交付する方法ですることはできない。
誤り
電子申請をした者に対する登記識別情報の通知は、
登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された登記識別情報を電子情報処理組織を使用して送信し、
これを申請人又はその代理人の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法によるが、(規則63条1項1号)
送付の方法により登記識別情報を記載した書面の交付を求めることもできる。(規則63条3項、平成20・1・11民二57号通達第1・3・⑴・⑵)
規則63条(登記識別情報の通知の方法)
第六十三条 登記識別情報の通知は、法務大臣が別に定める場合を除き、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によるものとする。
一 電子申請 法務大臣の定めるところにより、登記官の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された登記識別情報を電子情報処理組織を使用して送信し、これを申請人又はその代理人(以下この条において「申請人等」という。)の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法
二 書面申請 登記識別情報を記載した書面を交付する方法
2 登記官は、前項の通知をするときは、法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けるべき者及び前条第一項各号に定める者並びに同条第二項の代理人(申請人から登記識別情報を知ることを特に許された者に限る。)以外の者に当該通知に係る登記識別情報が知られないようにするための措置を講じなければならない。
3 送付の方法により登記識別情報を記載した書面の交付を求める場合には、申請人は、その旨並びに次項及び第五項の場合の区分に応じた送付先の別(第五項に規定する場合であって自然人である代理人の住所に宛てて書面を送付することを求めるときにあっては、当該代理人の住所)を申請情報の内容とするものとする。
4 前項の場合における登記識別情報を記載した書面の送付は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によってするものとする。
一 申請人等が自然人である場合において当該申請人等の住所に宛てて書面を送付するとき、又は申請人等が法人である場合において当該申請人等である法人の代表者の住所に宛てて書面を送付するとき(第三号に掲げる場合を除く。) 日本郵便株式会社の内国郵便約款の定めるところにより名宛人本人に限り交付し、若しくは配達する本人限定受取郵便又はこれに準ずる方法
二 申請人等が法人である場合において当該申請人等である法人の住所に宛てて書面を送付するとき(次号に掲げる場合を除く。) 書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの
三 申請人等が外国に住所を有する場合 書留郵便若しくは信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの又はこれらに準ずる方法
5 前項の規定にかかわらず、前条第二項の規定により代理人が登記識別情報の通知を受ける場合であって、当該代理人が法第二十三条第四項第一号に規定する代理人(以下「資格者代理人」という。)であるときは、登記識別情報を記載した書面の送付は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によってするものとする。
一 当該代理人が自然人である場合において当該代理人の住所に宛てて書面を送付するとき、又は当該代理人が法人である場合において当該代理人である法人の代表者の住所に宛てて書面を送付するとき 日本郵便株式会社の内国郵便約款の定めるところにより名宛人本人に限り交付し、若しくは配達する本人限定受取郵便又はこれに準ずる方法
二 当該代理人が自然人である場合において当該代理人の事務所の所在地に宛てて書面を送付するとき、又は当該代理人が法人である場合において当該代理人である法人の住所に宛てて書面を送付するとき 書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの
6 送付の方法により登記識別情報を記載した書面の交付を求める場合には、送付に要する費用を納付しなければならない。
7 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを申請書と併せて提出する方法により納付しなければならない。
8 第六項の送付は、申請人が当該郵便物をこれと同一の種類に属する他の郵便物に優先して送達する取扱いの料金に相当する郵便切手を提出したときは、当該取扱いによらなければならない。第四項第二号若しくは第三号又は第五項第二号の場合において、信書便の役務であって当該取扱いに相当するものの料金に相当する当該信書便事業者の証票で法務大臣が指定するものを提出したときも、同様とする。
9 前二項の指定は、告示してしなければならない。
平成20・1・11民二57号通達第2・3・⑴・⑵
第2 登記識別情報の通知
3 登記識別情報の通知の方法
(1) 電子申請の場合であっても,規則第63条第1項柱書の法務大臣の定める方法として,当面,登記識別情報通知書の交付を申し出ることができることとされた。
(2) 規則第63条第3項又は第63条の2第1項の規定による登記識別情報通知書の送付は,電子申請又は書面申請のいずれの場合も申し出ることができる。
イ 所有権の登記がある土地の合筆の登記の申請をする場合において、登記識別情報を失念したときは、登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由があるということはできない。
誤り
所有権の登記がある土地の合筆の登記の申請をする場合において、
登記識別情報を失念したときは、
登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合に該当する。
準則42条1項3号(登記識別情報を提供することができない正当な理由)
第42条
1.法第22条ただし書に規定する登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合とは,次に掲げる場合とする。
一 登記識別情報が通知されなかった場合
二 登記識別情報の失効の申出に基づき,登記識別情報が失効した場合
三 登記識別情報を失念した場合
四 登記識別情報を提供することにより登記識別情報を適切に管理する上で支障が生ずることとなる場合
五 登記識別情報を提供したとすれば当該申請に係る不動産の取引を円滑に行うことができないおそれがある場合
2.申請人が法第22条に規定する申請をする場合において,登記識別情報を提供することなく,かつ,令第3条第12号に規定する登記識別情報を提供することができない理由を申請情報の内容としていないときは,登記官は,直ちに法第25条第9号の規定により登記の申請を却下することなく,申請人に補正を求めるものとする。
ウ 登記識別情報のある甲土地から乙土地を分筆した後、乙土地を丙土地に合筆する登記の申請をする際に提供すべき登記識別情報は、甲土地のものでよい。
正しい
登記識別情報の通知を受けた土地を分筆した場合、
分筆前の土地の登記識別情報が、分筆後の各土地の登記識別情報となる。
また、土地の合筆の登記の申請において提供する登記識別情報は、
合筆に係る土地のうちいずれか一筆の土地の所有権の登記名義人の登記識別情報を提供すれば足りる。(令8条2項1号)
令8条(登記名義人が登記識別情報を提供しなければならない登記等)
第八条 法第二十二条の政令で定める登記は、次のとおりとする。ただし、確定判決による登記を除く。
一 所有権の登記がある土地の合筆の登記
二 所有権の登記がある建物の合体による登記等
三 所有権の登記がある建物の合併の登記
四 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記
五 所有権の移転の登記がない場合における所有権の登記の抹消
六 質権又は抵当権の順位の変更の登記
七 民法第三百九十八条の十四第一項ただし書(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の定めの登記
八 信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記
九 仮登記の登記名義人が単独で申請する仮登記の抹消
2 前項の登記のうち次の各号に掲げるものの申請については、当該各号に定める登記識別情報を提供すれば足りる。
一 所有権の登記がある土地の合筆の登記 当該合筆に係る土地のうちいずれか一筆の土地の所有権の登記名義人の登記識別情報
二 登記名義人が同一である所有権の登記がある建物の合体による登記等 当該合体に係る建物のうちいずれか一個の建物の所有権の登記名義人の登記識別情報
三 所有権の登記がある建物の合併の登記 当該合併に係る建物のうちいずれか一個の建物の所有権の登記名義人の登記識別情報
オ 登記識別情報の通知を受けた登記名義人が死亡した場合には、その相続人は、登記識別情報の失効の申出をしなければならない。
誤り
登記識別情報の通知を受けた登記名義人が死亡した場合には、
その相続人は、
登記識別情報の失効の申出をすることができるが、(規則65条1項)
失効の申出をしなければならないとはされていない。
規則65条(登記識別情報の失効の申出)
第六十五条 登記名義人又はその相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、通知を受けた登記識別情報について失効の申出をすることができる。
2 前項の申出は、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この条において「申出情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。
一 申出人の氏名又は名称及び住所
二 申出人が法人であるときは、その代表者の氏名
三 代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名
四 申出人が登記名義人の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び登記名義人の氏名又は名称及び住所
五 当該登記識別情報に係る登記に関する次に掲げる事項
イ 不動産所在事項又は不動産番号
ロ 登記の目的
ハ 申請の受付の年月日及び受付番号
ニ 次項第一号に掲げる方法により申出をするときは、甲区又は乙区の別
3 第一項の申出は、次に掲げる方法のいずれかによりしなければならない。
一 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申出情報を登記所に提供する方法
二 申出情報を記載した書面を登記所に提出する方法
4 申出情報の内容である登記名義人の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないときは、申出情報と併せて当該登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。
5 登記名義人の相続人その他の一般承継人が第一項の申出をするときは、申出情報と併せて相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。
6 令第四条本文、第七条第一項第一号及び第二号の規定は、第一項の申出をする場合について準用する。
7 第三十六条第一項から第三項までの規定は前項において準用する令第七条第一項第一号及び第二号の法務省令で定める場合について、第三十七条及び第三十七条の二の規定は第一項の申出をする場合について、それぞれ準用する。
8 令第十条から第十二条まで及び第十四条の規定は、第三項第一号に掲げる方法により第一項の申出をする場合について準用する。
9 第四十一条及び第四十四条の規定は前項に規定する場合について、第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第一項及び第二項の電子署名について、第四十三条の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。
10 令第十五条から第十八条までの規定は、第三項第二号に掲げる方法により第一項の申出をする場合について準用する。
11 第四十五条、第四十六条第一項及び第二項、第五十三条並びに第五十五条の規定は前項に規定する場合について、第四十七条第一号及び第二号の規定は前項において準用する令第十六条第一項の法務省令で定める場合について、第四十八条第一号から第三号までの規定は前項において準用する令第十六条第二項の法務省令で定める場合について、第四十九条第一項第一号及び第三号の規定は前項において準用する令第十八条第一項の法務省令で定める場合について、第四十九条第二項各号(第四号を除く。)の規定は前項において準用する令第十八条第二項の法務省令で定める場合について、それぞれ準用する。