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H18-10代理権の不消滅

不動産の表示に関する登記の申請代理人に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

 

ア 本人から委任を受けた後、登記の申請前に本人が後見開始の審判を受けたときは、申請代理権は消滅しないが、登記の申請をするには、後見人の承諾を得なければならない。

  

×

本人から委任を受けた後、登記の申請前に本人が後見開始の審判を受けたときでも、
申請代理権は消滅しない。(民法111条1項)
→改めて保護者である後見人から委任を受けたり、後見人の承諾を得る必要がない。

 

民法111条(代理権の消滅事由)

第百十一条 代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。
一 本人の死亡
二 代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。
2 委任による代理権は、前項各号に掲げる事由のほか、委任の終了によって消滅する。

  

  
イ 委任による代理人は、本人の同意を得て復代理人を選任した場合でも、復代理人の選任又は監督についての過失の有無にかかわらず、復代理人の行為について責任を負う。

  

×

法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。
この場合において、本人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。(民法105条1項)

民法105条(法定代理人による復代理人の選任)

第百五条 法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、本人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。

  

 
ウ 本人から委任を受けた後、登記の申請前に本人が死亡した場合でも、申請代理権は消滅しない。

  

登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、本人の死亡によっては消滅しない。(法17条)
(→民法111条1項1号では、本人の死亡を代理権の消滅原因の一つとしている。) 

 

法17条(代理権の不消滅)

第十七条 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。
一 本人の死亡
二 本人である法人の合併による消滅
三 本人である受託者の信託に関する任務の終了
四 法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更

 

民法111条(代理権の消滅事由)

第百十一条 代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。
一 本人の死亡
二 代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。
2 委任による代理権は、前項各号に掲げる事由のほか、委任の終了によって消滅する。

  

 
エ 本人の法定代理人は、本人の同意なくして復代理人を選任することができるが、やむを得ない事由があるときを除き、その責任は選任及び監督の範囲に限られる。

  

×

民法106条(復代理人の権限等)

第百六条 復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。
2 復代理人は、本人及び第三者に対して、その権限の範囲内において、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。

  

 

オ 同一の申請について複数の代理人が選任されている場合、共同代理の定めがない限り、各代理人は単独で申請を代理することができる。

  

共同代理とは、数人の代理人がいる場合に、その数人が共同して代理行為をしなければ、代理の効果を生じないとされるものをいう。
→数人の代理人がいる場合には、単独代理(各代理人が各自単独で代理行為をすること)か共同代理となるが、一般的に単独代理とみるべきである。(判例・通説)
→登記の申請代理人についても、共同代理の定めがない限り、各代理人が各自単独で、登記申請行為を代理することができる。(昭和40・8・31民甲2476号回答)

    

 

出典:「土地家屋調査士試験」(法務省)(http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index5.html)を加工して作成
出典:「測量士・測量士補国家試験及び登録」(国土地理院)(https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/SHIKEN-top.htm)を加工して作成
出典: e-Gov法令検索 (https://elaws.e-gov.go.jp/)を加工して作成