土地家屋調査士・測量士補独学最短合格塾

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H30-9地目

次の対話は、土地の地目に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

1 アウ   2 アエ   3 イウ   4 イオ   5 エオ

教授:土地の地目について考えてみましょう。公衆の遊楽のために供する土地の地目と競馬場内の馬場の地目は、同じ地目ですか。 
学生:ア 公衆の遊楽のために供する土地の地目は雑種地であり、競馬場内の馬場の地目も雑種地であることから、同じ地目です。

×

公衆の遊楽のために供する土地は, 公園とする(準則 68条22号)。

競馬場内の土地については,事務所,観覧席及びきゅう舎等永久的設備と認められる建物の敷地及びその附属する土地は宅地とし,馬場は雑種地とし,その他の土地は現況に応じてその地目を定める。(準則 69条8号)。

 

 

教授:幼稚園の園舎の敷地の地目と、その園舎と一体的に利用されている運動場の地目は、同じ地目ですか。
学生:イ 幼稚園の園舎の敷地の地目は学校用地であり、その園舎と一体的に利用されている運動場の地目も学校用地であることから、同じ地目です。

学校の校舎,附属設備の敷地および運動場は,すべて一体として学校用地として取り扱う。

「学校」とは、学校教育法により幼稚園,小学校中学校, 高等学校,大学などとされる(地目認定 82頁)。

 

地目認定82項   

 

教授:共同住宅の敷地の地目と石油タンクの敷地の地目は、同じ地目ですか。 
学生:ウ 共同住宅は登記の対象となる建物ですから、その敷地の地目は宅地であるのに対し、石油タンクは登記の対象とならない建造物ですから、その敷地の地目は雑種地であるので、違う地目です。

×

建物の敷地およびその維持,若しくは効用を果たすために必要な土地の地目は宅地とする(準則 68条3号)。

ガスタンクや石油タンクは、登記の対象となる建物ではないが、(準則 77 条2号ア)

これらの敷地も宅地として取り扱われる(準則 69条10号)。

 

 

教授:高圧線の下の土地で他の目的に使用することができない区域にあるものの地目と変電所の敷地の地目は、同じ地目ですか。
学生:エ 高圧線の下の土地で他の目的に使用することができない区域にあるものの地目は雑種地であるのに対し、変電所の敷地の地目は宅地であるので、違う地目です。

×

高圧線の下の土地で他の目的に使用することができない区域や,変電所敷地は、雑種地として取り扱う(準則 69条14号)。

 よって、高圧線の下の土地で他の目的に使用することができない区域にあるものの地目は雑種地であり、変電所の敷地の地目も雑種地であるので、同じ地目である。

 

教授:最後に、かんがい用の水路の地目と水力発電のための排水路の地目は、同じ地目ですか。
学生:オ かんがい用の水路の地目は用悪水路であるのに対し、水力発電のための排水路の地目は雑種地であるので、違う地目です。

かんがい用または悪水排せつ用の水路の土地は用悪水路とする(準則 68 条16号)。

水力発電のための水路は雑種地とする(準則 69条5号)。

 

 

準則68条 

(地目)

次の各号に掲げる地目は,当該各号に定める土地について定めるものとする。この場合には,土地の現況及び利用目的に重点を置き,部分的にわずかな差異の存するときでも,土地全体としての状況を観察して定めるものとする。
一 田 農耕地で用水を利用して耕作する土地
二 畑 農耕地で用水を利用しないで耕作する土地
三 宅地 建物の敷地及びその維持若しくは効用を果すために必要な土地
四 学校用地 校舎,附属施設の敷地及び運動場
五 鉄道用地 鉄道の駅舎,附属施設及び路線の敷地
六 塩田 海水を引き入れて塩を採取する土地
七 鉱泉地 鉱泉(温泉を含む。)の湧出口及びその維持に必要な土地
八 池沼 かんがい用水でない水の貯留池
九 山林 耕作の方法によらないで竹木の生育する土地
十 牧場 家畜を放牧する土地
十一 原野 耕作の方法によらないで雑草,かん木類の生育する土地
十二 墓地 人の遺体又は遺骨を埋葬する土地
十三 境内地 境内に属する土地であって,宗教法人法(昭和26年法律第126号)第3条第2号及び第3号に掲げる土地(宗教法人の所有に属しないものを含む。)
十四 運河用地 運河法(大正2年法律第16号)第12条第1項第1号又は第2号に掲げる土地
十五 水道用地 専ら給水の目的で敷設する水道の水源地,貯水池,ろ水場又は水道線路に要する土地
十六 用悪水路 かんがい用又は悪水はいせつ用の水路
十七 ため池 耕地かんがい用の用水貯留池
十八 堤 防水のために築造した堤防
十九 井溝 田畝又は村落の間にある通水路
二十 保安林 森林法(昭和26年法律第249号)に基づき農林水産大臣が保安林として指定した土地
二十一 公衆用道路 一般交通の用に供する道路(道路法(昭和27年法律第180号)による道路であるかどうかを問わない。)
二十二 公園 公衆の遊楽のために供する土地
二十三 雑種地 以上のいずれにも該当しない土地

準則69条

(地目の認定)

土地の地目は,次に掲げるところによって定めるものとする。
一 牧草栽培地は,畑とする。
二 海産物を乾燥する場所の区域内に永久的設備と認められる建物がある場合には,その敷地の区域に属する部分だけを宅地とする。
三 耕作地の区域内にある農具小屋等の敷地は,その建物が永久的設備と認められるものに限り,宅地とする。
四 牧畜のために使用する建物の敷地,牧草栽培地及び林地等で牧場地域内にあるものは,すべて牧場とする。
五 水力発電のための水路又は排水路は,雑種地とする。
六 遊園地,運動場,ゴルフ場又は飛行場において,建物の利用を主とする建物敷地以外の部分が建物に附随する庭園に過ぎないと認められる場合には,その全部を一団として宅地とする。
七 遊園地,運動場,ゴルフ場又は飛行場において,一部に建物がある場合でも,建物敷地以外の土地の利用を主とし,建物はその附随的なものに過ぎないと認められるときは,その全部を一団として雑種地とする。ただし,道路,溝,堀その他により建物敷地として判然区分することができる状況にあるものは,これを区分して宅地としても差し支えない。
八 競馬場内の土地については,事務所,観覧席及びきゅう舎等永久的設備と認められる建物の敷地及びその附属する土地は宅地とし,馬場は雑種地とし,その他の土地は現況に応じてその地目を定める。
九 テニスコート又はプールについては,宅地に接続するものは宅地とし,その他は雑種地とする。
十 ガスタンク敷地又は石油タンク敷地は,宅地とする。
十一 工場又は営業場に接続する物干場又はさらし場は,宅地とする。
十二 火葬場については,その構内に建物の設備があるときは構内全部を宅地とし,建物の設備のないときは雑種地とする。
十三 高圧線の下の土地で他の目的に使用することができない区域は,雑種地とする。
十四 鉄塔敷地又は変電所敷地は,雑種地とする。
十五 坑口又はやぐら敷地は,雑種地とする。
十六 製錬所の煙道敷地は,雑種地とする。
十七 陶器かまどの設けられた土地については,永久的設備と認められる雨覆いがあるときは宅地とし,その設備がないときは雑種地とする。
十八 木場(木ぼり)の区域内の土地は,建物がない限り,雑種地とする。

準則77条 

(建物認定の基準)

建物の認定に当たっては,次の例示から類推し,その利用状況等を勘案して判定するものとする。
一 建物として取り扱うもの
ア 停車場の乗降場又は荷物積卸場。ただし,上屋を有する部分に限る。
イ 野球場又は競馬場の観覧席。ただし,屋根を有する部分に限る。
ウ ガード下を利用して築造した店舗,倉庫等の建造物
エ 地下停車場,地下駐車場又は地下街の建造物
オ 園芸又は農耕用の温床施設。ただし,半永久的な建造物と認められるものに限る。
二 建物として取り扱わないもの
ア ガスタンク,石油タンク又は給水タンク
イ 機械上に建設した建造物。ただし,地上に基脚を有し,又は支柱を施したものを除く。
ウ 浮船を利用したもの。ただし,固定しているものを除く。
エ アーケード付街路(公衆用道路上に屋根覆いを施した部分)
オ 容易に運搬することができる切符売場又は入場券売場等

 

 

出典:「土地家屋調査士試験」(法務省)(http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index5.html)を加工して作成
出典:「測量士・測量士補国家試験及び登録」(国土地理院)(https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/SHIKEN-top.htm)を加工して作成
出典: e-Gov法令検索 (https://elaws.e-gov.go.jp/)を加工して作成