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H29-18建物の滅失登記

建物の滅失の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

1 アウ   2 アオ   3 イエ   4 イオ   5 ウエ

ア 建物の所有権の登記名義人が当該建物を自ら取り壊した場合において、当該建物の滅失の登記を申請するときは、当該登記名義人の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。

× 

建物の滅失の登記を書面申請により申請する場合において、申請人は、申請書又は委任状の記名押印をしたときであっても、押印した印鑑に関する証明書を添付することを要しない。

表示に関する登記の申請又は委任状について申請人の印鑑証明書を添付しなければならないのは、

所有権の登記がある土地の合筆の登記、建物の合併の登記又は合体による登記等を

当該所有権の登記名義人が申請する場合である。

また、建物の滅失の登記を申請するときに、所有権の登記名義人の印鑑に関する証明書を添付しなければならないとする規定もない。

 

令16条1項、2項

(申請情報を記載した書面への記名押印等)
第十六条 申請人又はその代表者若しくは代理人は、法務省令で定める場合を除き、申請情報を記載した書面に記名押印しなければならない。
2 前項の場合において、申請情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。次条第一項において同じ。)又は登記官が作成するものに限る。以下同じ。)を添付しなければならない。

令18条1項、2項

代理人の権限を証する情報を記載した書面への記名押印等)
第十八条 委任による代理人によって登記を申請する場合には、申請人又はその代表者は、法務省令で定める場合を除き、当該代理人の権限を証する情報を記載した書面に記名押印しなければならない。復代理人によって申請する場合における代理人についても、同様とする。
2 前項の場合において、代理人(復代理人を含む。)の権限を証する情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。 

規則48条1項5号

(申請書に印鑑証明書の添付を要しない場合)
第四十八条 令第十六条第二項法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
五 申請人が前条第三号イからニまでに掲げる者のいずれにも該当しない場合(前号に掲げる場合を除く。) 

規則49条2項4号

(委任状への記名押印等の特例)
2 令第十八条第二項法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
四 前条第一項第四号及び第五号に掲げる場合 

 令7条1項

 (添付情報)
第七条 登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。
一 申請人が法人であるとき(法務省令で定める場合を除く。)は、次に掲げる情報
イ 会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。以下このイにおいて同じ。)を有する法人にあっては、当該法人の会社法人等番号
ロ イに規定する法人以外の法人にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報
二 代理人によって登記を申請するとき(法務省令で定める場合を除く。)は、当該代理人の権限を証する情報
三 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請するときは、代位原因を証する情報
四 法第三十条の規定により表示に関する登記を申請するときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区長又は総合区長とする。第十六条第二項及び第十七条第一項を除き、以下同じ。)、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)
五 権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる情報
イ 法第六十二条の規定により登記を申請するときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)
ロ 登記原因を証する情報。ただし、次の(1)又は(2)に掲げる場合にあっては当該(1)又は(2)に定めるものに限るものとし、別表の登記欄に掲げる登記を申請する場合(次の(1)又は(2)に掲げる場合を除く。)にあっては同表の添付情報欄に規定するところによる。
(1) 法第六十三条第一項に規定する確定判決による登記を申請するとき 執行力のある確定判決の判決書の正本(執行力のある確定判決と同一の効力を有するものの正本を含む。以下同じ。)
(2) 法第百八条に規定する仮登記を命ずる処分があり、法第百七条第一項の規定による仮登記を申請するとき 当該仮登記を命ずる処分の決定書の正本
ハ 登記原因について第三者の許可、同意又は承諾を要するときは、当該第三者が許可し、同意し、又は承諾したことを証する情報
六 前各号に掲げるもののほか、別表の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の添付情報欄に掲げる情報

 

イ 建物図面が備え付けられていない建物を取り壊した場合において、当該建物の滅失の登記の申請をするときは、当該建物が存していた場所を特定するために建物図面を添付しなければならない。

×

建物の表題登記,所在の変更・更正登記,床面積の変更・更正登記,附属建物の新築の登記、建物の分割・区分・合併・合体による登記の申請書には、建物図面を添付するが、
本肢の建物図面が備え付けられていない建物の滅失登記を申請するときは、建物図面の添付を要しない。

 

 

 

ウ 団地共用部分である旨の登記がある建物の滅失の登記を申請する場合には、当該建物の所有権を証する情報を添付しなければならない。

共用部分または団地共用部分である建物の所有者から滅失登記を申請する場合は、その所有権を証する情報の提供も必要となる(令別表 17 項・添付情報欄)。

団地共用部分である旨の登記がある建物の滅失の登記を申請する場合に所有権を証する情報を提供する理由は、

団地共用部分である旨の登記の申請がされた際に、所有権の登記がない建物にあっては表題部所有者に関する登記事項を抹消する記号が記録され、所有権の登記がある建物にあっては権利に関する登記が抹消されるので、登記記録から所有者が判明しないためである。

 

令別表17項

十七
共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の滅失の登記
 
添付情報
 
当該建物の所有者を証する情報

準則87条2項

(所有権を証する情報等)

第87条
共用部分又は団地共用部分である建物についての建物の所有者を証する情報は,共用部分若しくは団地共用部分である旨を定めた規約を設定したことを証する情報又は登記した他の区分所有者若しくは建物の所有者の全部若しくは一部の者が証明する情報とする。

規則141条

(共用部分である旨の登記等)
第百四十一条 登記官は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をするときは、所有権の登記がない建物にあっては表題部所有者に関する登記事項を抹消する記号を記録し、所有権の登記がある建物にあっては権利に関する登記の抹消をしなければならない。 

 

エ 借地上に存する建物の所有権の登記名義人が当該建物を立替えのために取り壊した場合には、当該借地に賃借権の設定の登記がされていないときであっても、当該建物の所有権の登記名義人は、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。

建物が滅失したときは,表題部所有者または所有権の登記名義人は1月以内に建物の滅失登記を申請しなければならない(法 57 条)。

このとき、当該建物の所有者が借地権を有しているか否かは全く関係がないため、

建物を建替えのために取り壊した場合は、借地に賃借権の設定の登記がされていない時であっても、建物の所有権の登記名義人は、建物の滅失の登記を申請しなければならない。

 

なお、借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有する時には、これをもって第三者に対抗できるとされる。

この場合、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権者は、なお借地権の対抗力を有する。

ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限るとされる。

つまり、建物の滅失の登記がされたからといって、直ちに借地権の対抗力が失われるわけではない。

 

法57条

(建物の滅失の登記の申請)
第五十七条 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。 

借地借家法10条1項、2項

(借地権の対抗力)
第十条 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。

2 前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。

ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。 

 

オ 抵当権の設定の登記がある建物が滅失した場合において、当該建物の滅失の登記の申請をするときは、当該抵当権の登記名義人の承諾を証する情報を添付しなければならない。

抵当権の設定の登記がある建物が滅失した場合において、

当該建物の滅失の登記の申請をするときは、

当該抵当権の登記名義人の承諾を証する情報を添付しなければならない。 

 

誤り

 

抵当権の設定の登記がある建物が滅失した場合において、

当該建物の滅失の登記の申請をするときは、

当該抵当権の登記名義人の承諾を証する情報を添付することを要しない。

 

大判大5.6.28

建物の滅失の登記を申請する場合において、

当該建物について所有権の登記以外の登記があるときであっても、

当該権利の登記名義人の承諾を証する情報を提供することを要しない。 

不動産を目的とする権利は、当該不動産の滅失により当然に消滅するためである。

令7条1項 

(添付情報)
第七条 登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。
一 申請人が法人であるとき(法務省令で定める場合を除く。)は、次に掲げる情報
イ 会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。以下このイにおいて同じ。)を有する法人にあっては、当該法人の会社法人等番号
ロ イに規定する法人以外の法人にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報
二 代理人によって登記を申請するとき(法務省令で定める場合を除く。)は、当該代理人の権限を証する情報
三 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請するときは、代位原因を証する情報
四 法第三十条の規定により表示に関する登記を申請するときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区長又は総合区長とする。第十六条第二項及び第十七条第一項を除き、以下同じ。)、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)
五 権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる情報
イ 法第六十二条の規定により登記を申請するときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)
ロ 登記原因を証する情報。ただし、次の(1)又は(2)に掲げる場合にあっては当該(1)又は(2)に定めるものに限るものとし、別表の登記欄に掲げる登記を申請する場合(次の(1)又は(2)に掲げる場合を除く。)にあっては同表の添付情報欄に規定するところによる。
(1) 法第六十三条第一項に規定する確定判決による登記を申請するとき 執行力のある確定判決の判決書の正本(執行力のある確定判決と同一の効力を有するものの正本を含む。以下同じ。)
(2) 法第百八条に規定する仮登記を命ずる処分があり、法第百七条第一項の規定による仮登記を申請するとき 当該仮登記を命ずる処分の決定書の正本
ハ 登記原因について第三者の許可、同意又は承諾を要するときは、当該第三者が許可し、同意し、又は承諾したことを証する情報
六 前各号に掲げるもののほか、別表の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の添付情報欄に掲げる情報

 

 

 

 

出典:「土地家屋調査士試験」(法務省)(http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index5.html)を加工して作成
出典:「測量士・測量士補国家試験及び登録」(国土地理院)(https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/SHIKEN-top.htm)を加工して作成
出典: e-Gov法令検索 (https://elaws.e-gov.go.jp/)を加工して作成