H27-5表題部所有者に関する登記
表題部所有者の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
1 アエ 2 アオ 3 イウ 4 イエ 5 ウオ
ア 表題部所有者として誤ってAが登記されているが、真実の所有者はBである場合には、Aは、表題部所有者の更正の登記を申請することができる。
×
真正な所有者はBであるのに,表題部所有者としてAが記録されている場合,真正な所有者に合致させるためにする登記を,表題部所有者の更正登記といい、(法33条1項)
真正な表題部所有者が申請することができるが,申請義務はない。(法33条1項・2項)
この表題部所有者についての更正の登記は、当該不動産の所有者以外の者は、申請することができず、表題部所有者として記録されている者からは申請することができない。
法33条1項
(表題部所有者の更正の登記等)
第三十三条 不動産の所有者と当該不動産の表題部所有者とが異なる場合においてする当該表題部所有者についての更正の登記は、当該不動産の所有者以外の者は、申請することができない。
イ 表題部所有者としてAが登記されている土地をAがBに対して売却したときは、Bは、AからBへの表題部所有者についての変更の登記を申請することができない。
○
表題部所有者が変更された場合は、所有権の保存登記と所有権の移転登記をすべきであり、(法32条)
本肢のように、表題部所有者であるAがBに土地の所有権を譲渡したのであれば, 表題部所有者を変更するのではなく, Aが所有権の保存登記をし,Bへの所有権の移転登記をする。
法32条
(表題部所有者の変更等に関する登記手続)
第三十二条 表題部所有者又はその持分についての変更は、当該不動産について所有権の保存の登記をした後において、その所有権の移転の登記の手続をするのでなければ、登記することができない。
ウ 表題部所有者のA及びBの持分が誤ってAは5分の3、Bは5分の2と登記されているが、真実の持分はAが5分の2、Bが5分の3である場合において、Aがこれを是正するための表題部所有者についての持分の更正の登記を申請するときは、Bが所有権を有することを証する情報を提供しなければならない。
×
表題部所有者の持分更正登記では、
持分を更正することとなる他の共有者の承諾を証する情報または当該他の共有者に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供しなければならないが、(令別表3項・添付情報)
本肢のような所有権証明書の添付は不要である。
令別表3項
三 表題部所有者である共有者の持分についての更正の登記 申請情報更正後の共有者ごとの持分 添付情報持分を更正することとなる他の共有者の承諾を証する当該他の共有者が作成した情報又は当該他の共有者に対抗することができる裁判があったことを証する情報
エ 表題部所有者として誤ってA及びBが登記されているが、真実の所有者はA及びCである場合において、これを是正するための表題部所有者の更正の登記をCが申請するときは、Bの承諾を証する情報又はBに対抗することができる裁判があったことを証する情報のほか、Cが所有権を有することを証する情報及びCの住所を証する情報を併せて提供しなければならない。
○
本肢の場合,表題部所有者の更正登記を申請するが、
Bの承諾を証する情報または当該表題部所有者に対抗することができる裁判があ ったことを証する情報(令別表2項添付情報ハ)と併せて,
Cの所有権を証する情報及び住所を証する情報を提供する(令別表2項・添付情報イ、ロ)。
令別表2項
二 表題部所有者についての更正の登記 申請情報当該登記をすることによって表題部所有者となる者の氏名又は名称及び住所並びに当該表題部所有者となる者が二人以上であるときは当該表題部所有者となる者ごとの持分 添付情報イ 当該表題部所有者となる者が所有権を有することを証する情報
ロ 当該表題部所有者となる者の住所を証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)
ハ 表題部所有者の承諾を証する当該表題部所有者が作成した情報又は当該表題部所有者に対抗することができる裁判があったことを証する情報
オ 表題部所有者として登記されている者が婚姻により氏を改めたときは、その者は、表題部所有者についての更正の登記を申請することができる。
○
表題部所有者の氏名や住所などが変更になった場合,
変更後の氏名や住所にするための登記を,表題部所有者の表示変更登記といい、(法31 条)
本肢のように、表題部所有者が婚姻により氏を改めた場合、表題部所有者の表示変更登記をする。
法31条
(表題部所有者の氏名等の変更の登記又は更正の登記)
第三十一条 表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、表題部所有者以外の者は、申請することができない。