H27-3遺言
遺言に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
1 アイ 2 アオ 3 イウ 4 ウエ 5エオ
ア 負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。
○
受遺者は負担の内容とされた義務を履行しなければならない。ただし, 遺贈目的物の価額を超えない限度でよい(民法1002条1項、民法1003条)。
イ 被相続人は、遺言で、共同相続人中の一人又は数人の相続分のみを定めることはできない。
×
遺言で,共同相続人中の1人または数人の相続分のみを定めることもできる。この場合、他の共同相続人の相続分は、法定相続分による。
ウ 遺言は要式行為であるから、遺言の解釈に当たっては、遺言者の真意を探究すべきではなく、遺言書の文言のみを形式的に判断しなければならない。
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遺言の解釈は、遺言書の文言を形式的に判断するだけではなく、遺言者の真意を探究すべきである(最判昭58.3.18)。
エ 遺言者は、遺言で、遺言執行者を指定することができる。
○
遺言者は,遺言で,遺言執行者の指定またはその委託をすることができる(民法1006条1項)。
オ 未成年者に対して最後に親権を行う者であって管理権を有するものは、遺言で、未成年後見人を指定することができる。
○
未成年者に対して最後に親権を行う者であって管理権を有する者は、遺言で、未成年後見監督人の指定をすることができる。(民法839条1項、民法848条)