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H26-17建物の合体による登記等

合体後の建物について建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消(以下「合体による登記等」と総称する。)に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

1 アイ   2 アエ   3 イウ   4 ウオ   5 エオ

ア 賃借権の登記がある甲建物と所有権の登記のみがある乙建物について合体による登記等を申請する場合において、甲建物に設定された賃借権が合体後の建物に存続するときは、その旨を申請情報の内容としなければならない。

×

所有権以外の所有権に関する登記または先取特権,質権若しくは抵当権に関する登記については、合体後の建物の持分上に移記され存続するが、(令別表13項、規則120条4項)

存続登記は持分上に認められる権利に限られ、賃借権等の持分上に登記できない権利は、合体により移記されない(平 5.7.30 民三 5320 号)。

 

平5.7.30 民三5320号第六・五・(5)

第六 建物が合体した場合の登記手続の新設

五 合体による建物の表示の登記

(5)合体前の建物についての賃借権の登記は、合体後の建物の登記用紙に移記することを要しない。

 

令別表13項

登記:

合体による登記等(法第四十九条第一項後段の規定により併せて申請をする所有権の登記があるときは、これを含む。)

申請情報:

ハ 合体前の建物についてされた所有権の登記以外の所有権に関する登記又は先取特権、質権若しくは抵当権に関する登記であって合体後の建物について存続することとなるもの(以下この項において「存続登記」という。)があるときは、次に掲げる事項
(1) 当該合体前の建物の家屋番号
(2) 存続登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号、順位事項並びに登記名義人の氏名又は名称
(3) 存続登記の目的となる権利 

 

イ 所有権の登記がある建物と表題登記があるが所有権の登記がない建物について合体による登記等を申請する場合において、合体後の建物の価額が6,000万円であり、所有権の登記がない建物の所有者が合体後の建物について有することとなる持分の割合を10分の3としたときは、登録免許税額は9万円である。

×

所有権の登記がある建物と表題登記があるが所有権の登記がない建物について「合体による登記等」を申請するとき、

当該表題登記がある建物の表題部所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人は、「合体による登記等」と合わせて当該表題部所有者を合体後の建物の登記名義人とする所有権の登記を申請しなければならない。(法49条1項4号)

この場合には、合体後の物の価額に所有権の登記のない建物の所有者が合体後の建物につき有することとなる持分の割合を乗じてし金額課税格として, 1,000分の4の税率を乗じた額の登録免許税を納付する(登録許税法 別表1.1(1))。 

合体後の建物の価格に持分割合を乗じたもの(1000円未満切り捨て)を課税標準とし、税率1000分の4を乗じて算出するので、

本肢の場合、課税価格:6,000×3=10= 1,800万円→登録免許税:1,800万×4=1,000=7万2,000円となる。

 

法49条1項4号

(合体による登記等の申請)
第四十九条 二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において、次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める者は、当該合体の日から一月以内に、合体後の建物についての建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消(以下「合体による登記等」と総称する。)を申請しなければならない。

この場合において、

第二号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者、

第四号に掲げる場合にあっては当該表題登記がある建物(所有権の登記がある建物を除く。以下この条において同じ。)の表題部所有者、第六号に掲げる場合にあっては当該表題登記がない建物の所有者及び当該表題登記がある建物の表題部所有者をそれぞれ当該合体後の建物の登記名義人とする所有権の登記を併せて申請しなければならない。
一 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び表題登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者又は当該表題登記がある建物の表題部所有者
二 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がない建物の所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人
三 合体前の二以上の建物がいずれも表題登記がある建物であるとき。 当該建物の表題部所有者
四 合体前の二以上の建物が表題登記がある建物及び所有権の登記がある建物のみであるとき。 当該表題登記がある建物の表題部所有者又は当該所有権の登記がある建物の所有権の登記名義人 

登録免許税法別表1・1・(一)

一 不動産の登記(不動産の信託の登記を含む。)
登記:(一) 所有権の保存の登記
課税標準:不動産の価額
税率:千分の四 

登録免許税法10条2項

(不動産等の価額)
第十条 別表第一第一号、第二号、第四号又は第四号の二に掲げる不動産、船舶、ダム使用権又は公共施設等運営権の登記又は登録の場合における課税標準たる不動産、船舶、ダム使用権又は公共施設等運営権(以下この項において「不動産等」という。)の価額は、当該登記又は登録の時における不動産等の価額による。

この場合において、当該不動産等の上に所有権以外の権利その他処分の制限が存するときは、当該権利その他処分の制限がないものとした場合の価額による。
2 前項に規定する登記又は登録をする場合において、当該登記又は登録が別表第一第一号又は第二号に掲げる不動産又は船舶の所有権の持分の取得に係るものであるときは、当該不動産又は船舶の価額は、当該不動産又は船舶の同項の規定による価額に当該持分の割合を乗じて計算した金額による。

登録免許税法15条

課税標準の金額の端数計算)
第十五条 別表第一に掲げる登記又は登録に係る課税標準の金額を計算する場合において、その全額が千円に満たないときは、これを千円とする。 

 

ウ 合体前の各建物の所有者が異なっており、合体前の各建物の所有者が合体後の建物について有することとなる持分の割合を定めなければならない場合において、合体前の各建物の所有者全員が申請人となり、その印鑑に関する証明書の提供があるときは、その合体による登記等の申請情報をもって、当該持分の割合を証する情報を兼ねることができる。

 

合体前の各建物の所有者等が異なる場合には、合体後の建物について各所有者等が有することとなる持分の割合を証する情報も所有権証明情報として提供する。(令別表13項)

この書面が合体前の各建物の所有者の作成に係る証明書である場合には、申請人として印鑑証明書を添付する登記名義人以外の作成者の印鑑証明書をこれに添付することを要するが、

全員が申請人となり印鑑証明書を提供したときには、その申請書が持分の割合を証する書面を兼ねるので、申請書に印鑑証明書の添付があることをもって足りる。つまり、所有権証明情報は不要となる(平5.7.30 民三 5320号)。

  

令別表13項

十三
登記:合体による登記等(法第四十九条第一項後段の規定により併せて申請をする所有権の登記があるときは、これを含む。)
添付情報:
ハ 表題部所有者となる者が所有権を有することを証する情報 

平5.7.30 民三5320号第六・四・(3)、(4)

第六 建物が合体した場合の登記手続の新設

四 申請書の添付書類等

(3)合体前の建物について所有権の登記がある場合において、その登記名義人が申請人であるときは、その者の印鑑証明書を申請書に添付することを要する(細則第42条の2)。

(4)合体前の各建物の所有者が異なる場合には、所有権を証する書面として、合体前の各建物の所有者が合体後の建物について有することとなる持分の割合を証する書面を申請書に添付することを要する(法第93条の4の2第5項、第93条第2項)。この書面が合体前の各建物の所有者の作成に係る証明書である場合には、(3)により印鑑証明書を添付する登記名義人以外の作成者の印鑑証明書をこれに添付することを要するものとする。

なお、合体前の各建物の所有者全員が申請人である場合には、その申請書が持分の割合を証する書面を兼ねるので、申請書に印鑑証明書の添付があることをもって足りる。

令3条9号

(申請情報)
第三条 登記の申請をする場合に登記所に提供しなければならない法第十八条の申請情報の内容は、次に掲げる事項とする。
九 表題登記又は権利の保存、設定若しくは移転の登記(根質権、根抵当権及び信託の登記を除く。)を申請する場合において、表題部所有者又は登記名義人となる者が二人以上であるときは、当該表題部所有者又は登記名義人となる者ごとの持分 

平5.7.30 民三5320号第六・三・(2)

第六 建物が合体した場合の登記手続の新設

三 申請書の記載
(2)合体前の各建物の所有者が異なるときは、それぞれの所有者が合体後の建物について有することとなる持分を申請書に記載することを要する(法第39条)。
また、合体前の各建物の所有者が同一である場合であっても、合体前の建物につき所有権の登記以外の所有権に関する登記又は先取特権、質権若しくは抵当権に関する登記(以下「抵当権等に関する登記」という)があって、その登記が合体後の建物につき存続すべきものであるときは、その登記の登記名義人、登記原因、その日付、登記の目的及び受付番号が同一である場合を除き、合体後の建物につきその登記に係る権利の目的を明らかにするため、所有者が同一でないものとみなした場合の持分を記載することを要する(法第93条の4の2第3項第3号)。

この場合における持分の記載は、申請人の表示に符号を付し、「持分3分の2甲某〔あ〕、3分の1甲某〔い〕」のようにするものとする。

 

エ 甲建物の附属建物と乙建物とが合体した場合には、甲建物の附属建物を分割する分割の登記及び合体による登記等を一の申請情報によって申請しなければならない。

 × 

本肢の場合、甲建物の「分割登記」と分割した附属建物と乙建物の「合体による登記等」を申請しなければならないが、登記の目的,登記原因及びその日付が同一でないため,これらを一の申請情報ですることはできない(令4条)。

また、一の申請情報によって申請できるか否かについては、令4条及び規則35条によるが、規則35条に「合体による登記等」は一切関係しないので、「合体による登記等」と他の登記を一の申請情報によって申請することはできない。

よって、甲建物の附属建物と乙建物とが合体した場合には、甲建物の附属建物を分割する分割の登記をした後、乙建物と合体による建物の登記をする。

 

法49条1項

(合体による登記等の申請)
第四十九条 二以上の建物が合体して一個の建物となった場合において、次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める者は、当該合体の日から一月以内に、合体後の建物についての建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消(以下「合体による登記等」と総称する。)を申請しなければならない。

平成5年度不動産登記法改正に関する質疑応答第六・十一・49

第六 建物が合体した場合の登記手続の新設関係

十一 附属建物等との合体
49 既登記の甲建物と既登記の乙建物のそれぞれに附属建物がある場合において,次のような建物の合体があったときの登記手続はどうなるのか。

①甲・乙の主たる建物のみが合体したとき。

②甲建物の主たる建物と乙建物の附属建物が合体したとき。

③甲建物の附属建物と乙建物の附属建物が合体したとき。

① 甲,乙のそれぞれの附属建物は,合体による主たる建物の表示の登記及び合体前の建物の表示の登記の抹消に従う。

② 乙建物の附属建物について,分割の登記をした後,甲建物の主たる建物と合体による建物の登記をする。

③ 甲,乙のそれぞれの附属建物について,いずれも分割の登記をした後,合体による建物の登記をする。

規則35条 

(一の申請情報によって申請することができる場合)
第三十五条 令第四条ただし書の法務省令で定めるときは、次に掲げるときとする。
一 土地の一部を分筆して、これを他の土地に合筆しようとする場合において、分筆の登記及び合筆の登記の申請をするとき。
二 甲建物の登記記録から甲建物の附属建物を分割して、これを乙建物の附属建物としようとする場合において、建物の分割の登記及び建物の合併の登記の申請をするとき。
三 甲建物の登記記録から甲建物の附属建物(区分建物に限る。)を分割して、これを乙建物又は乙建物の附属建物に合併しようとする場合(乙建物又は乙建物の附属建物が甲建物の附属建物と接続する区分建物である場合に限る。)において、建物の分割の登記及び建物の合併の登記の申請をするとき。
四 甲建物を区分して、その一部を乙建物の附属建物としようとする場合において、建物の区分の登記及び建物の合併の登記の申請をするとき。
五 甲建物を区分して、その一部を乙建物又は乙建物の附属建物に合併しようとする場合(乙建物又は乙建物の附属建物が当該一部と接続する区分建物である場合に限る。)において、建物の区分の登記及び建物の合併の登記の申請をするとき。
六 同一の不動産について申請する二以上の登記が、いずれも不動産の表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記であるとき。
七 同一の不動産について申請する二以上の登記が、不動産の表題部の登記事項に関する変更の登記又は更正の登記及び土地の分筆の登記若しくは合筆の登記又は建物の分割の登記、建物の区分の登記若しくは建物の合併の登記であるとき。
八 同一の登記所の管轄区域内にある一又は二以上の不動産について申請する二以上の登記が、いずれも同一の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記であるとき。
九 同一の不動産について申請する二以上の権利に関する登記(前号の登記を除く。)の登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるとき。
十 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記が、同一の債権を担保する先取特権、質権又は抵当権(以下「担保権」と総称する。)に関する登記であって、登記の目的が同一であるとき。

 

オ 合体前の建物の所有権の登記名義人の住所に変更があった場合でも、変更があったことを証する情報を添付情報として提供すれば当該所有権の登記名義人の住所の変更の登記をすることなく、合体による登記等を申請することができる。

 ○

甲建物と乙建物の表題部所有者が同じである場合、表題部所有者が住所を移転し,甲建物については住所の変更の登記がされているが, 乙建物については住所の変更の登記がされていない場合、

表題部所有者が住所の変更を証する情報を提供することで,甲建物と乙建物の合体による登記等を申請できる(平5.7.30 民三 5320号)。

  

 

出典:「土地家屋調査士試験」(法務省)(http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index5.html)を加工して作成
出典:「測量士・測量士補国家試験及び登録」(国土地理院)(https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/SHIKEN-top.htm)を加工して作成
出典: e-Gov法令検索 (https://elaws.e-gov.go.jp/)を加工して作成