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H25-17建物合併登記の制限

乙建物を甲建物に合併する建物の合併の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

 なお、各記述において、甲建物と乙建物のいずれにも抵当権もしくは賃借権の登記又は所有権の仮登記がある場合は、各登記又は仮登記は、登記の目的、申請の受付年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一であるものとする。 

1 アウ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 エオ

 

ア 甲建物と乙建物のいずれにも抵当権の設定の登記がある場合において、乙建物についてのみ抵当権の債権額の変更の登記がされているときは、建物の合併の登記をすることができない。

 

正しい

 

所有権の登記以外の権利に関する登記がある建物の合併は原則としてすることができない。(法56条1項5号)

建物の合併の登記の制限の特例(規則131条)として合併後の建物の登記記録に登記することができる同一の担保権の登記については、

登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付すべてが同一である必要があり、

一部の建物について順位の変更などの処分の登記または登記名義人の表示の変更,債権額の変更などの登記がされているときは、合併の登記をすることはできない。(昭58.11.10 民三 6400号)

 

法56条(建物の合併の登記の制限)

第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。
一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記
二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記
三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記
四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記
五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記

 

規則131条(建物の合併の登記の制限の特例)

第百三十一条 法第五十六条第五号の合併後の建物の登記記録に登記することができる権利に関する登記は、次に掲げる登記とする。
一 担保権の登記であって、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一のもの
二 信託の登記であって、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項が同一のもの

  

 

イ 乙建物についてのみ抵当権の設定の登記がある場合においても、当該抵当権の抵当権者が当該抵当権を消滅させることを承諾したことを証する情報を提供すれば、建物の合併の登記をすることができる。

 

誤り

 

所有権の登記以外の権利に関する登記がある建物の合併は原則としてすることができない。(法56条1項5号)

また、建物の合併の登記の申請手続において、抵当権を消滅させることができる旨の規定はない。

原則として、すべての不動産については、所有権以外の権利に関する登記を消滅させることができないため、土地合筆登記建物合併登記は、消滅承諾を添付て申請することはできない。 

  

法56条(建物の合併の登記の制限)

第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。
一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記
二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記
三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記
四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記
五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記

  

  

ウ 甲建物と乙建物のいずれにも賃借権の設定の登記がある場合においても、建物の合併の登記をすることができる。

 

誤り

 

所有権の登記以外の権利に関する登記がある建物の合併は原則としてすることができない。(法56条1項5号)

  

法56条(建物の合併の登記の制限)

第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。
一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記
二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記
三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記
四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記
五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記

  

  

エ 甲建物と乙建物がいずれも区分建物であり、甲建物についてのみ敷地権の登記があるときにおいても、建物の合併の登記をすることができる。

 

正しい

 

敷地権付き区分建物の登記事項である敷地権の表示は、権利に関する登記ではないので、法56条(建物の合併の登記の制限)の制限は受けない。

つまり、(敷地権である旨の登記がある土地の合筆はできないが、)

区分建物における敷地権については合併後の附属建物の敷地権を登記きるため、敷地権が登記されている区分建物の合併はすることができる。

 

法56条(建物の合併の登記の制限)

第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。
一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記
二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記
三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記
四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記
五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記

  

  

オ 甲建物と乙建物のいずれにも所有権の仮登記がある場合には、建物の合併の登記をすることができない。

 

正しい

 

所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物の建物の合併の登記は、原則として、することができない。(法56条1項5号)

この建物合併制限にあたる所有権の登記以外の権利に関する登記とは、

用益権や担保権のほか、これらの権利に関する登の仮登記や、有権の仮登記を含む。(昭和35.7.4民甲1594号)

 

法56条(建物の合併の登記の制限)

第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。
一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記
二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記
三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記
四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記
五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記

  

 

出典:「土地家屋調査士試験」(法務省)(http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index5.html)を加工して作成
出典:「測量士・測量士補国家試験及び登録」(国土地理院)(https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/SHIKEN-top.htm)を加工して作成
出典: e-Gov法令検索 (https://elaws.e-gov.go.jp/)を加工して作成