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H22-9代理権の不消滅

登記申請手続の委任に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

1 アイ   2 アオ   3 イウ   4 ウエ   5 エオ

 

ア 土地の分筆の登記の申請の委任をした者がその申請の前に死亡した場合には、代理人は、当該土地の分筆の登記を申請することができない。

  

誤り

 

登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、

本人の死亡によっては、

消滅しない。(代理権の不消滅)

 

また、所有者の申請意思により行われる分筆の登記は、

被相続人が生前土地の一部を売買等の処分を行い、相手方(利害関係人)がいるような場合を除き、

原則として相続人にその申請意思を確認し、相続人の委任状を添付して申請するべきである。(平成5年度全国首席登記官会同における質疑応答第二・一・6)

 

よって、そのような相手方がいない本肢の場合、

代理権の不消滅(法17条)の規定により申請せずに、

一般承継人による申請(法30条)の規定により、

相続人の申請意思を確認したうえで改めて委任を受けて、

相続人の委任状を添付情報として申請するべきである。

 

よって、

土地の分筆の登記の申請の委任をした者が

その申請の前に死亡した場合には、

代理人は、

(相続人の委任状を添付情報として)

当該土地の分筆の登記を申請することができる。 

 

法17条1号(代理権の不消滅)

第十七条 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。
一 本人の死亡
二 本人である法人の合併による消滅
三 本人である受託者の信託に関する任務の終了
四 法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更

 

法30条(一般承継人による申請)

第三十条 表題部所有者又は所有権の登記名義人が表示に関する登記の申請人となることができる場合において、当該表題部所有者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該表示に関する登記を申請することができる。

 

 

イ 法人から委任を受けて登記の申請を行う場合には、委任を受けた後に法人の代表者が替わったときであっても、代理人は、当該登記の申請をすることができる。

 

正しい

 

登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、

法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更によっては、

消滅しない。(法17条4号)

この場合の法定代理人には、法人の代表者も含まれるので、(平成5・7・30民三5320号通達第二・一 )

委任をうけた後に法人の代表者が入れ替わったときでも、

代理人は登記の申請をすることができる。

 

規則36条1項1号、2号(会社法人等番号の提供を要しない場合等)の規定において、

申請書に添付された

登記申請の代理権限を証する書面の作成名義人である法人の代表者が

現在の代表者でないと認められるときであっても、

ア 登記申請の代理人が当該代表者の代表権限が消滅した旨及び当該代表者が代表権限を有していた時期を明らかにし、当該法人の登記簿でそのことを確認することができる場合

イ 当該代表者の代表権限を証する書面(作成後3か月以内のものに限る。)が申請書に添付されている場合

には、これを適法な登記申請の代理権限を証する書面の添付があるものとして扱う。平成5・7・30民三5320号通達第二・一 )

 

法17条4号(代理権の不消滅)

第十七条 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。
一 本人の死亡
二 本人である法人の合併による消滅
三 本人である受託者の信託に関する任務の終了
四 法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更

 

平成5・7・30民三5320号通達第二・一

 第二 登記申請代理権の不消滅に関する規定の新設 

一 委任による登記申請代理権の不消滅に関する規定が新設されたが、委任者の法定代理人の代理権が消滅した場合もこれに該当し(法第26条第3項)、この場合の法定代理人には、法人の代表者も含まれる。

したがって、細則第44条の8第1項に規定する場合において、申請書に添付された登記申請の代理権限を証する書面の作成名義人である法人の代表者が現在の代表者でないと認められるときであっても、次に掲げる場合には、これを適法な登記申請の代理権限を証する書面の添付があるものとして扱う。なお、その申請が細則第42条第1項又は第42条の2第1項の申請であるときは、当該代表者の印鑑証明書(作成後3か月以内のものに限る)の提出があることを要する。 

ア 登記申請の代理人が当該代表者の代表権限が消滅した旨及び当該代表者が代表権限を有していた時期を明らかにし、当該法人の登記簿でそのことを確認することができる場合

イ 当該代表者の代表権限を証する書面(作成後3か月以内のものに限る。)が申請書に添付されている場合

 

規則36条1項1号・2号(会社法人等番号の提供を要しない場合等)

第三十六条 令第七条第一項第一号の法務省令で定める場合は、申請人が同号イに規定する法人であって、次に掲げる登記事項証明書(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十条第一項(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する登記事項証明書をいう。以下この項及び次項、第二百九条第三項及び第四項並びに第二百四十三条第二項において同じ。)を提供して登記の申請をするものである場合とする。
一 次号に規定する場合以外の場合にあっては、当該法人の代表者の資格を証する登記事項証明書
二 支配人等(支配人その他の法令の規定により法人を代理することができる者であって、その旨の登記がされているものをいう。以下同じ。)によって登記の申請をする場合にあっては、当該支配人等の権限を証する登記事項証明書
2 前項各号の登記事項証明書は、その作成後三月以内のものでなければならない。
3 令第七条第一項第二号の法務省令で定める場合は、申請人が同項第一号イに規定する法人であって、支配人等が当該法人を代理して登記の申請をする場合とする。
4 令第九条の法務省令で定める情報は、住民票コード(住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第七条第十三号に規定する住民票コードをいう。)又は会社法人等番号(商業登記法第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。以下同じ。)とする。ただし、住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する情報を提供しなければならないものとされている場合にあっては、当該住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを確認することができることとなるものに限る。

 

 

ウ 市町村から登記の嘱託の委任を受けた代理人が当該登記の申請をする場合には、申請情報に添付すべき市町村長が職務上作成した委任状は、作成後3か月以内のものであることを要しない。

 

正しい

 

代理人によって登記を申請するときは、

当該代理人の権限を証する情報を提供しなければならない。(令7条1項2号)

この情報を記載した書面であって、

市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成したものは、

作成後三月以内のものでなければならないが、

この規定は、官庁又は公署が登記の嘱託をする場合には、適用されない。 (令17条1項、2項)

 

令7条1項2号(添付情報)

第七条 登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。
一 申請人が法人であるとき(法務省令で定める場合を除く。)は、次に掲げる情報
イ 会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。以下このイにおいて同じ。)を有する法人にあっては、当該法人の会社法人等番号
ロ イに規定する法人以外の法人にあっては、当該法人の代表者の資格を証する情報
二 代理人によって登記を申請するとき(法務省令で定める場合を除く。)は、当該代理人の権限を証する情報
三 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請するときは、代位原因を証する情報
四 法第三十条の規定により表示に関する登記を申請するときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区長又は総合区長とする。第十六条第二項及び第十七条第一項を除き、以下同じ。)、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)
五 権利に関する登記を申請するときは、次に掲げる情報
イ 法第六十二条の規定により登記を申請するときは、相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)
ロ 登記原因を証する情報。ただし、次の(1)又は(2)に掲げる場合にあっては当該(1)又は(2)に定めるものに限るものとし、別表の登記欄に掲げる登記を申請する場合(次の(1)又は(2)に掲げる場合を除く。)にあっては同表の添付情報欄に規定するところによる。
(1) 法第六十三条第一項に規定する確定判決による登記を申請するとき 執行力のある確定判決の判決書の正本(執行力のある確定判決と同一の効力を有するものの正本を含む。以下同じ。)
(2) 法第百八条に規定する仮登記を命ずる処分があり、法第百七条第一項の規定による仮登記を申請するとき 当該仮登記を命ずる処分の決定書の正本
ハ 登記原因について第三者の許可、同意又は承諾を要するときは、当該第三者が許可し、同意し、又は承諾したことを証する情報
六 前各号に掲げるもののほか、別表の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の添付情報欄に掲げる情報
2 前項第一号及び第二号の規定は、不動産に関する国の機関の所管に属する権利について命令又は規則により指定された官庁又は公署の職員が登記の嘱託をする場合には、適用しない。
3 次に掲げる場合には、第一項第五号ロの規定にかかわらず、登記原因を証する情報を提供することを要しない。
一 所有権の保存の登記を申請する場合(敷地権付き区分建物について法第七十四条第二項の規定により所有権の保存の登記を申請する場合を除く。)
二 法第百十一条第一項の規定により民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十三条第一項の規定による処分禁止の登記(保全仮登記とともにしたものを除く。次号において同じ。)に後れる登記の抹消を申請する場合
三 法第百十一条第二項において準用する同条第一項の規定により処分禁止の登記に後れる登記の抹消を申請する場合
四 法第百十三条の規定により保全仮登記とともにした処分禁止の登記に後れる登記の抹消を申請する場合

 

令17条1項、2項(代表者の資格を証する情報を記載した書面の期間制限等)

第十七条 第七条第一項第一号ロ又は第二号に掲げる情報を記載した書面であって、市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成したものは、作成後三月以内のものでなければならない。
2 前項の規定は、官庁又は公署が登記の嘱託をする場合には、適用しない。 

 

 

エ 土地の合筆の登記の申請の委任を受けた代理人が、当該申請を補正のために取り下げるには、委任者から特別の委任を受けなければならない。

 

誤り

 

登記の申請の取下げ(規則39条)には、

ア「欠缺補正のための取下げ」と

イ「申請を中止するための取下げ」があり、

申請代理人が取下げをする場合、その理由が

アのときには、特別の授権を要せず、

イのときには、特別の授権を要し、取下げに関する委任状を添付しなければならない。(昭和29・12・25民甲2637号通達) 

 

規則39条(申請の取下げ)

第三十九条 申請の取下げは、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によってしなければならない。
一 電子申請 法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申請を取り下げる旨の情報を登記所に提供する方法
二 書面申請 申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を登記所に提出する方法
2 申請の取下げは、登記完了後は、することができない。
3 登記官は、書面申請がされた場合において、申請の取下げがされたときは、申請書及びその添付書面を還付するものとする。前条第三項ただし書の規定は、この場合について準用する。

 

 
オ 土地の合筆の登記の申請の委任を受けた代理人が死亡した場合には、その一般承継人は、当該代理権を行使して当該登記の申請をすることができる。

 

誤り

 

代理権は、相続の対象にならず、

代理人の死亡によって消滅する。(民法111条1項2号)

  

民法111条1項2号(代理権の消滅事由)

第百十一条 代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。
一 本人の死亡
二 代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。
2 委任による代理権は、前項各号に掲げる事由のほか、委任の終了によって消滅する。

  

 

 

出典:「土地家屋調査士試験」(法務省)(http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index5.html)を加工して作成
出典:「測量士・測量士補国家試験及び登録」(国土地理院)(https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/SHIKEN-top.htm)を加工して作成
出典: e-Gov法令検索 (https://elaws.e-gov.go.jp/)を加工して作成