H20-18建物合併登記の制限
建物の合併の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
1 アウ 2 アオ 3 イエ 4 イオ 5 ウエ
ア 効用上一体として利用される状態にある所有者を同じくする二つの建物に、どちらにも登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一である所有権の移転の仮登記があり、このほかに所有権の登記以外の登記がない場合には、これらの建物の合併の登記を申請することができる。
誤り
所有権の移転の仮登記は、
法56条(建物の合併の登記の制限)5号に規定する所有権等(所有権、地上権、永小作権、地役権及び採石権)の登記以外の権利に関する登記であり、
担保権の登記のように特例(規則131条1号)もないため、
二つの建物にされた所有権の移転の仮登記の、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一であっても、
これらの建物の合併の登記を申請することができない。
法56条(建物の合併の登記の制限)
第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。
一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記
二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記
三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記
四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記
五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記
規則131条(建物の合併の登記の制限の特例)
第百三十一条 法第五十六条第五号の合併後の建物の登記記録に登記することができる権利に関する登記は、次に掲げる登記とする。
一 担保権の登記であって、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一のもの
二 信託の登記であって、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項が同一のもの
イ 効用上一体として利用される状態にある所有者を同じくする二つの建物について、どちらにも合併の妨げにならない同一の抵当権の登記がある場合において、その抵当権につき、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一の移転の仮登記があり、このほかに所有権の登記以外の登記がないときは、これらの建物の合併の登記を申請することができる。
正しい
同一の担保権の登記について、(規則131条1項)
数個の建物の一部についてのみ
変更若しくは更生の登記又は処分若しくは移転の登記がされているときは,
合併をすることができないが、(昭和58・11・10民三6400号通達第十九・一・3)
数個の建物のすべてについて
これらの登記がされていて、
その登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一のものであるときは、
合併は許される。
昭和58・11・10民三6400号通達(建物の区分所有等に関する法律及び不動産登記法の一部改正に伴う登記事務の取扱いについて)
第十九 担保権の登記のある土地又は建物の合併
一 合併制限の緩和
1 数筆の土地又は数個の建物につき先取特権,質権又は抵当権(以下「担保権」という)に関する登記がある場合であつても,それらの担保権の登記の登記原因,その日付,登記の目的及び受付番号が同一であるときは,それらの数筆の土地又は数個の建物は,合併をすることを妨げられない(法第81条の3第1項ただし書,第93条の9第1項後段)。2 合併の妨げとならない1の担保権に関する登記には,仮登記も含まれる。
3 合併をすべき数筆の土地又は数個の建物の一部についてのみ順位の変更等の処分の登記又は登記名義人の表示の変更,債権額の変更等の変更の登記がされているときは,合併をすることができない。
規則131条(建物の合併の登記の制限の特例)
第百三十一条 法第五十六条第五号の合併後の建物の登記記録に登記することができる権利に関する登記は、次に掲げる登記とする。
一 担保権の登記であって、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一のもの
二 信託の登記であって、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項が同一のもの
ウ 効用上一体として利用される状態にある所有者を同じくする二つの建物について、どちらにも合併の妨げにならない同一の抵当権の登記がある場合において、その抵当権につき、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一の抵当権の変更の登記があり、このほかに所有権の登記以外の登記がないときは、これらの建物の合併の登記を申請することができる。
正しい
同一の担保権の登記について、(規則131条1項)
数個の建物の一部についてのみ
変更若しくは更生の登記又は処分若しくは移転の登記がされているときは,
合併をすることができないが、(昭和58・11・10民三6400号通達第十九・一・3)
数個の建物のすべてについて
これらの登記がされていて、
その登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一のものであるときは、
合併は許される。
昭和58・11・10民三6400号通達(建物の区分所有等に関する法律及び不動産登記法の一部改正に伴う登記事務の取扱いについて)
第十九 担保権の登記のある土地又は建物の合併
一 合併制限の緩和
1 数筆の土地又は数個の建物につき先取特権,質権又は抵当権(以下「担保権」という)に関する登記がある場合であつても,それらの担保権の登記の登記原因,その日付,登記の目的及び受付番号が同一であるときは,それらの数筆の土地又は数個の建物は,合併をすることを妨げられない(法第81条の3第1項ただし書,第93条の9第1項後段)。2 合併の妨げとならない1の担保権に関する登記には,仮登記も含まれる。
3 合併をすべき数筆の土地又は数個の建物の一部についてのみ順位の変更等の処分の登記又は登記名義人の表示の変更,債権額の変更等の変更の登記がされているときは,合併をすることができない。
規則131条(建物の合併の登記の制限の特例)
第百三十一条 法第五十六条第五号の合併後の建物の登記記録に登記することができる権利に関する登記は、次に掲げる登記とする。
一 担保権の登記であって、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一のもの
二 信託の登記であって、法第九十七条第一項各号に掲げる登記事項が同一のもの
エ 効用上一体として利用される状態にある所有者を同じくする二つの建物に、工場財団に属した旨の登記がされている場合には、これらの建物が同一の財団を組成するときであっても、これらの建物の合併の登記を申請することができない。
正しい
工場財団に属した旨の登記は、一種の処分の制限の登記であり、
これらの建物が同一の財団を組成するときであっても、これらの建物の合併の登記を申請することができない。(法56条5号)
法56条(建物の合併の登記の制限)
第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。
一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記
二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記
三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記
四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記
五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記
オ 敷地権の登記がある建物を主である建物とし、敷地権の登記がない建物をその附属建物とする合併の登記は、申請することができない。
正しい
敷地権の登記は、
建物の表題部にされる表示に関する登記であるので、(法44条1項9号)
建物の合併の登記の妨げとはならない。
法44条(建物の表示に関する登記の登記事項)
第四十四条 建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一 建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)
二 家屋番号
三 建物の種類、構造及び床面積
四 建物の名称があるときは、その名称
五 附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積
六 建物が共用部分又は団地共用部分であるときは、その旨
七 建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積
八 建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称九 建物又は附属建物が区分建物である場合において、
当該区分建物について区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権(登記されたものに限る。)であって、
区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)があるときは、その敷地権
2 前項第三号、第五号及び第七号の建物の種類、構造及び床面積に関し必要な事項は、法務省令で定める。