H20-14区分建物の表題登記
区分建物の表示に関する登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
1 アイ 2 アウ 3 イエ 4 ウオ 5 エオ
ア 区分建物が一棟の建物の地下一階部分と地上一階部分に属する場合の当該区分建物の階層の表示は地下一階付き平家建である。
誤り
区分建物が一棟の建物の地下一階部分と地上一階部分に属する場合、
その階数による構造を記録するときは,
「2階建」のように記録するものとする。(準則90条)
準則90条(区分建物の構造の記録方法)
区分建物である建物が,例えば,当該建物が属する1棟の建物の3階及び4階に存する場合において,その階数による構造を記録するときは,「2階建」のように記録するものとする。
イ 区分建物の壁と柱で構成される内側線が、本来の壁面より柱部分が内側に突き出て、柱状に凹凸がある場合、床面積は、柱部分を含めた凹凸状の内側線ではなく、柱部分の凹凸はないものとした壁面のみで囲まれた部分の内側線の水平投影面積により求積する。
正しい
区分建物の壁と柱で構成される内側線が、
本来の壁面より柱部分が内側に突き出て、柱状に凹凸がある場合、
床面積は、柱部分を含めた凹凸状の内側線ではなく、
柱部分の凹凸はないものとした壁面のみで囲まれた部分の内側線の水平投影面積により求積する。(昭和46・4・16民三238号通知三・(七)・2、規則115条)
規則115条(建物の床面積)
第百十五条 建物の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の中心線(区分建物にあっては、壁その他の区画の内側線)で囲まれた部分の水平投影面積により、平方メートルを単位として定め、一平方メートルの百分の一未満の端数は、切り捨てるものとする。
ウ 区分建物の表題登記は、一棟の建物に属するすべての区分建物について一の申請情報により申請しなければならない。
誤り
区分建物についての表題登記の申請は、
一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せて一括申請しなければならないから、(法48条1項)
一の申請情報により申請することが原則だが、
一棟の建物に属する区分建物の全部についてその申請がされれば、各別の申請情報によって申請してもよい。(昭和58・11・10民三6400号通達第二・一・2)
法48条(区分建物についての建物の表題登記の申請方法)
第四十八条 区分建物が属する一棟の建物が新築された場合又は表題登記がない建物に接続して区分建物が新築されて一棟の建物となった場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該新築された一棟の建物又は当該区分建物が属することとなった一棟の建物に属する他の区分建物についての表題登記の申請と併せてしなければならない。
2 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、他の区分建物の所有者に代わって、当該他の区分建物についての表題登記を申請することができる。
3 表題登記がある建物(区分建物を除く。)に接続して区分建物が新築された場合における当該区分建物についての表題登記の申請は、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記の申請と併せてしなければならない。
4 前項の場合において、当該区分建物の所有者は、当該表題登記がある建物の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの者の相続人その他の一般承継人に代わって、当該表題登記がある建物についての表題部の変更の登記を申請することができる。
エ 区分建物の原始取得者から取得した転得者は、原始取得者が区分建物の表題登記を申請しない場合には、原始取得者に代位して区分建物の表題登記を申請することができる。
正しい
区分建物の原始取得者から取得した転得者は、区分建物の表題登記をすることができないが、(法47条1項)
原始取得者が区分建物の表題登記を申請しない場合には、原始取得者に代位して区分建物の表題登記を申請することができる。(民法423条、昭和58・11・10民三6400号通達第二・三・1)
法47条(建物の表題登記の申請)
第四十七条 新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。
2 区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人も、被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。
オ Bが所有する土地に区分建物を新築したAが、当該建物の完成後、Bからその土地を買い受けて、敷地権付き区分建物として表題登記を申請する場合、敷地権の登記原因の日付は、区分建物の新築の日である。
誤り
敷地権の登記原因の日付は、
敷地権が発生した日、つまり、敷地利用権が敷地権をなる要件を満たした日を記録するので、
建物の所有者が建物の新築、建物の区分等により区分建物が生じた日前から建物の敷地につき登記した所有権、地上権又は賃借権を有していたときは、その区分建物が生じた日であり、
区分建物が生じた後に建物の敷地につき登記した所有権、地上権又は賃借権を取得したときは、その取得の登記の日である。(昭和58・11・10民三6400号通達第二・四・2)
よって、本肢の場合、
敷地権の登記原因の日付は、
区分建物の新築の日ではなく、
建物の敷地についてAが所有権の登記名義を取得した日、つまり、BからAへの所有権の移転の登記の日(申請の受付年月日)である。
法44条(建物の表示に関する登記の登記事項)
第四十四条 建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一 建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である建物にあっては、当該建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)
二 家屋番号
三 建物の種類、構造及び床面積
四 建物の名称があるときは、その名称
五 附属建物があるときは、その所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番(区分建物である附属建物にあっては、当該附属建物が属する一棟の建物の所在する市、区、郡、町、村、字及び土地の地番)並びに種類、構造及び床面積
六 建物が共用部分又は団地共用部分であるときは、その旨
七 建物又は附属建物が区分建物であるときは、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の構造及び床面積
八 建物又は附属建物が区分建物である場合であって、当該建物又は附属建物が属する一棟の建物の名称があるときは、その名称九 建物又は附属建物が区分建物である場合において、
当該区分建物について区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権(登記されたものに限る。)であって、
区分所有法第二十二条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により区分所有者の有する専有部分と分離して処分することができないもの(以下「敷地権」という。)があるときは、その敷地権
2 前項第三号、第五号及び第七号の建物の種類、構造及び床面積に関し必要な事項は、法務省令で定める。