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H18-12建物合併登記の制限

所有者が同一である甲建物と乙建物についての建物の合併の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものは幾つあるか。

1 1個   2 2個   3 3個   4 4個   5 5個

 

ア 甲建物については所有権の登記があり、乙建物については表題登記のみがあるときは、甲建物と乙建物との建物の合併の登記は、することができない。

 

所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記は、することができない。(法56条4号)

 

法56条(建物の合併の登記の制限)

第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。
一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記
二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記
三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記
四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記
五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記

 

 

 
イ 甲建物と乙建物がいずれも区分建物であるときは、両建物が互いに接続していなければ、甲建物を乙建物の附属建物とする建物の合併の登記をすることはできない。

  

×

甲建物を乙建物の附属建物とする建物の合併(=附属合併)の登記は、両建物が互いに接続していなくても、主従の関係にあれば、合併することができる。
→区分合併の登記では、区分建物が互いに接続していれば、主従の関係にない場合でも合併することができるが、(規則133条1項)
区分建物であっても、非区分建物のように主従の関係にあれば、建物の合併(=附属合併)の登記をすることができる。(準則86条)

 

規則133条(区分合併の登記における表題部の記録方法)

第百三十三条 登記官は、区分建物である甲建物を乙建物又は乙建物の附属建物に合併する建物の合併(乙建物又は乙建物の附属建物が甲建物と接続する区分建物である場合に限る。以下「区分合併」という。)に係る建物の合併の登記をするときは、乙建物の登記記録の表題部に、区分合併後の建物の表題部の登記事項、家屋番号何番の建物を合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項の変更部分を抹消する記号を記録しなければならない。
2 登記官は、前項に規定する場合には、甲建物の登記記録の表題部に家屋番号何番の建物に合併した旨及び従前の建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、当該登記記録を閉鎖しなければならない。
3 登記官は、第一項の規定にかかわらず、区分合併(甲建物を乙建物の附属建物に合併する場合を除く。)に係る建物の合併の登記をする場合において、区分合併後の建物が区分建物でないときは、区分合併後の乙建物について新たに登記記録を作成し、当該登記記録の表題部に区分合併後の建物の表題部の登記事項及び合併により家屋番号何番の建物の登記記録から移記した旨を記録しなければならない。
4 登記官は、前項の場合には、区分合併前の乙建物の登記記録の表題部に家屋番号何番の建物を合併した旨、合併により家屋番号何番の建物の登記記録に移記した旨及び乙建物についての建物の表題部の登記事項を抹消する記号を記録し、乙建物の登記記録を閉鎖しなければならない。

準則86条(合併の禁止)

法第54条第1項第3号の建物の合併の登記は,次に掲げる場合には,することができない。
一 附属合併にあっては,合併しようとする建物が主たる建物と附属建物の関係にないとき。
二 区分合併にあっては,区分された建物が互いに接続していないとき。

 

  

ウ 甲建物については所有権の登記以外の権利に関する登記はないが、乙建物については抵当権の設定の登記があるときは、当該抵当権の登記名義人が抵当権を消滅させることを承諾したことを証する情報を添付すれば、甲建物と乙建物との建物の合併の登記を申請することができる。

 

×

建物の合併の登記や土地の合筆の登記においては、
所有権の登記以外の権利に関する登記の登記名義人の消滅承諾に関する法40条の規定を準用しない(法54条3項)
→乙建物の抵当権の登記を抹消した後でなければ、甲建物と乙建物との建物の合併の登記を申請することができない。(法56条5号)

 

法54条(建物の分割、区分又は合併の登記)

第五十四条 次に掲げる登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。
一 建物の分割の登記(表題登記がある建物の附属建物を当該表題登記がある建物の登記記録から分割して登記記録上別の一個の建物とする登記をいう。以下同じ。)
二 建物の区分の登記(表題登記がある建物又は附属建物の部分であって区分建物に該当するものを登記記録上区分建物とする登記をいう。以下同じ。)
三 建物の合併の登記(表題登記がある建物を登記記録上他の表題登記がある建物の附属建物とする登記又は表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物若しくは附属建物に合併して一個の建物とする登記をいう。以下同じ。)
2 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記は、所有者以外の者は、申請することができない。
3 第四十条の規定は、所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記をするときについて準用する。 

 

法40条(分筆に伴う権利の消滅の登記)

(分筆に伴う権利の消滅の登記)
第四十条 登記官は、所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地について分筆の登記をする場合において、

当該分筆の登記の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が当該権利を分筆後のいずれかの土地について消滅させることを承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、

法務省令で定めるところにより、当該承諾に係る土地について当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。

 

法56条(建物の合併の登記の制限)

第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。
一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記
二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記
三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記
四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記
五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記

 

  

エ 共有者及び共有持分が同一である甲建物と乙建物との建物の合併の登記は、共有者の1人が、単独で申請することができる。

 

×

共有者及び共有持分が同一である甲建物と乙建物との建物の合併の登記はすることができるが、(法56条)
建物の合併の登記は、共有者全員で申請しなければならない。(法54条)

 

法54条(建物の分割、区分又は合併の登記)

第五十四条 次に掲げる登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。
一 建物の分割の登記(表題登記がある建物の附属建物を当該表題登記がある建物の登記記録から分割して登記記録上別の一個の建物とする登記をいう。以下同じ。)
二 建物の区分の登記(表題登記がある建物又は附属建物の部分であって区分建物に該当するものを登記記録上区分建物とする登記をいう。以下同じ。)
三 建物の合併の登記(表題登記がある建物を登記記録上他の表題登記がある建物の附属建物とする登記又は表題登記がある区分建物を登記記録上これと接続する他の区分建物である表題登記がある建物若しくは附属建物に合併して一個の建物とする登記をいう。以下同じ。)
2 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記は、所有者以外の者は、申請することができない。
3 第四十条の規定は、所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物についての建物の分割の登記又は建物の区分の登記をするときについて準用する。 

 

法56条(建物の合併の登記の制限)

第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。
一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記
二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記
三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記
四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記
五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記

 

 

オ 甲建物と乙建物のいずれにも共用部分である旨の登記がある場合であっても、両建物が同じ一棟の建物の共用部分であるときは、甲建物と乙建物との建物の合併の登記をすることができる。

 

×

共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をすると、表題部所有者の登記又は権利に関する登記は抹消される。(法58条4項)
→共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記は、することができない。(法56条1号)

 

法56条(建物の合併の登記の制限)

第五十六条 次に掲げる建物の合併の登記は、することができない。
一 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の合併の登記
二 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記
三 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする建物の合併の登記
四 所有権の登記がない建物と所有権の登記がある建物との建物の合併の登記
五 所有権等の登記以外の権利に関する登記がある建物(権利に関する登記であって、合併後の建物の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある建物を除く。)の建物の合併の登記

 

 

 
出典:「土地家屋調査士試験」(法務省)(http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index5.html)を加工して作成
出典:「測量士・測量士補国家試験及び登録」(国土地理院)(https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/SHIKEN-top.htm)を加工して作成
出典: e-Gov法令検索 (https://elaws.e-gov.go.jp/)を加工して作成