H17-9登記識別情報
登記識別情報の提供を要する登記の申請に関する次の文章の太線部分のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
1 アウ 2 アオ 3 イエ 4 イオ 5 ウエ
「登記名義人が一定の登記を申請する場合においては、当該登記名義人自らが当該登記を申請していることを確認するため、正当な理由がある場合を除き、その申請情報と併せて登記名義人の登記識別情報を提供しなければならない。例えば、(ア)所有権の登記がある土地の合筆の登記の申請をする場合や、(イ)所有権の登記がある土地の分筆の登記の申請をする場合には、その申請情報と併せて登記名義人の登記識別情報を提供しなければならない。
(ア)○
(イ)×
表示に関する登記の申請において、登記識別情報を提供しなければならないのは、
所有権の登記がある土地の「合筆の登記」、所有権の登記がある建物の「合体による登記等」、所有権の登記がある建物の「合併の登記」の申請である。(法22条本文、令8条1項1号~3号)
令8条(登記名義人が登記識別情報を提供しなければならない登記等)
第八条 法第二十二条の政令で定める登記は、次のとおりとする。ただし、確定判決による登記を除く。
一 所有権の登記がある土地の合筆の登記
二 所有権の登記がある建物の合体による登記等
三 所有権の登記がある建物の合併の登記
四 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記
五 所有権の移転の登記がない場合における所有権の登記の抹消
六 質権又は抵当権の順位の変更の登記
七 民法第三百九十八条の十四第一項ただし書(同法第三百六十一条において準用する場合を含む。)の定めの登記
八 信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記
九 仮登記の登記名義人が単独で申請する仮登記の抹消2 前項の登記のうち次の各号に掲げるものの申請については、当該各号に定める登記識別情報を提供すれば足りる。
一 所有権の登記がある土地の合筆の登記 当該合筆に係る土地のうちいずれか一筆の土地の所有権の登記名義人の登記識別情報
二 登記名義人が同一である所有権の登記がある建物の合体による登記等 当該合体に係る建物のうちいずれか一個の建物の所有権の登記名義人の登記識別情報
三 所有権の登記がある建物の合併の登記 当該合併に係る建物のうちいずれか一個の建物の所有権の登記名義人の登記識別情報
登記識別情報が通知されなかった場合等、登記識別情報を提供することができない正当な理由があるために、申請人が登記識別情報を提供せずに登記を申請するときは、登記官から、登記名義人に対し、(ウ)申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときは一定期間内にその旨の申出をすべき旨が通知される。しかし、当該申請が資格者代理人によってされた場合であって、登記官が当該資格者代理人から本人確認情報の提供を受け、かつ、その内容を相当と認めるときは、上記の通知はされない。この場合においては、(エ)当該資格者代理人が登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報を併せて提供しなければならない。
(ウ)○
所有権の登記がある土地の「合筆の登記」、所有権の登記がある建物の「合体による登記等」、所有権の登記がある建物の「合併の登記」の申請をする場合、登記識別情報を提供しなければならない。(法22条)
登記識別情報が通知されなかった場合等、申請人が正当な理由により登記識別情報を提供することができない場合は、登記官は、登記義務者(登記名義人)に対し、
当該申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときは一定の期間内にその旨の申出をすべき旨を通知しなければならない(事前通知)。(法23条1項、規則70条1項~3項・8項)
法23条(事前通知等)
第二十三条 登記官は、申請人が前条に規定する申請をする場合において、同条ただし書の規定により登記識別情報を提供することができないときは、法務省令で定める方法により、同条に規定する登記義務者に対し、当該申請があった旨及び当該申請の内容が真実であると思料するときは法務省令で定める期間内に法務省令で定めるところによりその旨の申出をすべき旨を通知しなければならない。この場合において、登記官は、当該期間内にあっては、当該申出がない限り、当該申請に係る登記をすることができない。
2 登記官は、前項の登記の申請が所有権に関するものである場合において、同項の登記義務者の住所について変更の登記がされているときは、法務省令で定める場合を除き、同項の申請に基づいて登記をする前に、法務省令で定める方法により、同項の規定による通知のほか、当該登記義務者の登記記録上の前の住所にあてて、当該申請があった旨を通知しなければならない。
3 前二項の規定は、登記官が第二十五条(第十号を除く。)の規定により申請を却下すべき場合には、適用しない。
4 第一項の規定は、同項に規定する場合において、次の各号のいずれかに掲げるときは、適用しない。
一 当該申請が登記の申請の代理を業とすることができる代理人によってされた場合であって、登記官が当該代理人から法務省令で定めるところにより当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な情報の提供を受け、かつ、その内容を相当と認めるとき。
二 当該申請に係る申請情報(委任による代理人によって申請する場合にあっては、その権限を証する情報)を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録について、公証人(公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第八条の規定により公証人の職務を行う法務事務官を含む。)から当該申請人が第一項の登記義務者であることを確認するために必要な認証がされ、かつ、登記官がその内容を相当と認めるとき。
規則70条(事前通知)
第七十条 法第二十三条第一項の通知は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法により書面を送付してするものとする。
一 法第二十二条に規定する登記義務者が自然人である場合又は当該登記義務者が法人である場合において当該登記義務者である法人の代表者の住所に宛てて書面を送付するとき 日本郵便株式会社の内国郵便約款の定めるところにより名宛人本人に限り交付し、若しくは配達する本人限定受取郵便又はこれに準ずる方法
二 法第二十二条に規定する登記義務者が法人である場合(前号に掲げる場合を除く。) 書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの
三 法第二十二条に規定する登記義務者が外国に住所を有する場合 書留郵便若しくは信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うもの又はこれらに準ずる方法
2 前項の書面には、当該通知を識別するための番号、記号その他の符号(第五項第一号において「通知番号等」という。)を記載しなければならない。
3 第一項の規定による送付は、申請人が当該郵便物をこれと同一の種類に属する他の郵便物に優先して送達する取扱いの料金に相当する郵便切手を提出したときは、当該取扱いによらなければならない。同項第二号又は第三号の場合において、信書便の役務であって当該取扱いに相当するものの料金に相当する当該信書便事業者の証票で法務大臣が指定するものを提出したときも、同様とする。
4 前項の指定は、告示してしなければならない。
5 法第二十三条第一項に規定する申出は、次の各号に掲げる申請の区分に応じ、当該各号に定める方法によりしなければならない。
一 電子申請 法務大臣の定めるところにより、法第二十二条に規定する登記義務者が、第一項の書面の内容を通知番号等を用いて特定し、申請の内容が真実である旨の情報に電子署名を行った上、登記所に送信する方法
二 書面申請 法第二十二条に規定する登記義務者が、第一項の書面に通知に係る申請の内容が真実である旨を記載し、これに記名し、申請書又は委任状に押印したものと同一の印を用いて当該書面に押印した上、登記所に提出する方法(申請情報の全部を記録した磁気ディスクを提出した場合にあっては、法第二十二条に規定する登記義務者が、申請の内容が真実である旨の情報に電子署名を行い、これを記録した磁気ディスクを第一項の書面と併せて登記所に提出する方法)
6 令第十四条の規定は、前項の申出をする場合について準用する。
7 第四十三条の規定は、前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について準用する。
8 法第二十三条第一項の法務省令で定める期間は、通知を発送した日から二週間とする。ただし、法第二十二条に規定する登記義務者が外国に住所を有する場合には、四週間とする。
当該資格者代理人が所属する司法書士会,土地家屋調査士会又は弁護士会が発行した職印に関する証明書等の当該資格者代理人が登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報を併せて提供しなければならない。(規則72条3項)
→発行後3月以内の、当該資格者代理人が所属する、司法書士会,土地家屋調査士会又は弁護士会が発行した職印に関する証明書を提供する。(準則49条2項)
規則72条(資格者代理人による本人確認情報の提供)
第七十二条 法第二十三条第四項第一号の規定により登記官が資格者代理人から提供を受ける申請人が申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために必要な情報(以下「本人確認情報」という。)は、次に掲げる事項を明らかにするものでなければならない。
一 資格者代理人(資格者代理人が法人である場合にあっては、当該申請において当該法人を代表する者をいう。以下この条において同じ。)が申請人(申請人が法人である場合にあっては、代表者又はこれに代わるべき者。以下この条において同じ。)と面談した日時、場所及びその状況
二 資格者代理人が申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識があるときは、当該申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識がある旨及びその面識が生じた経緯
三 資格者代理人が申請人の氏名を知らず、又は当該申請人と面識がないときは、申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために当該申請人から提示を受けた次項各号に掲げる書類の内容及び当該申請人が申請の権限を有する登記名義人であると認めた理由
2 前項第三号に規定する場合において、資格者代理人が申請人について確認をするときは、次に掲げる方法のいずれかにより行うものとする。ただし、第一号及び第二号に掲げる書類及び有効期間又は有効期限のある第三号に掲げる書類にあっては、資格者代理人が提示を受ける日において有効なものに限る。
一 運転免許証(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第九十二条第一項に規定する運転免許証をいう。)、個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第七項に規定する個人番号カードをいう。)、旅券等(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二条第五号に規定する旅券及び同条第六号に規定する乗員手帳をいう。ただし、当該申請人の氏名及び生年月日の記載があるものに限る。)、在留カード(同法第十九条の三に規定する在留カードをいう。)、特別永住者証明書(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)第七条に規定する特別永住者証明書をいう。)又は運転経歴証明書(道路交通法第百四条の四第五項(同法第百五条第二項において準用する場合を含む。)に規定する運転経歴証明書をいう。)のうちいずれか一以上の提示を求める方法
二 国民健康保険、健康保険、船員保険、後期高齢者医療若しくは介護保険の被保険者証、健康保険日雇特例被保険者手帳、国家公務員共済組合若しくは地方公務員共済組合の組合員証、私立学校教職員共済制度の加入者証、国民年金手帳(国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第十三条第一項に規定する国民年金手帳をいう。)、児童扶養手当証書、特別児童扶養手当証書、母子健康手帳、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳又は戦傷病者手帳であって、当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか二以上の提示を求める方法
三 前号に掲げる書類のうちいずれか一以上及び官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに準ずるものであって、当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか一以上の提示を求める方法
3 資格者代理人が本人確認情報を提供するときは、当該資格者代理人が登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報を併せて提供しなければならない。
準則49条(資格者代理人による本人確認情報の提供)
1.規則第72条第1項第2号の申請人の氏名を知り,かつ,当該申請人と面識があるときとは,次に掲げるときのうちのいずれかとする。
一 資格者代理人が,当該登記の申請の3月以上前に当該申請人について,資格者代理人として本人確認情報を提供して登記の申請をしたとき。
二 資格者代理人が当該登記の申請の依頼を受ける以前から当該申請人の氏名及び住所を知り,かつ,当該申請人との間に親族関係,1年以上にわたる取引関係その他の安定した継続的な関係の存在があるとき。2.規則第72条第3項の資格者代理人であることを証する情報は,次に掲げるものとする。
一 日本司法書士会連合会又は日本土地家屋調査士会連合会が発行した電子証明書
二 日本司法書士会連合会又は日本土地家屋調査士会連合会が提供する情報に基づき発行された電子証明書(司法書士法施行規則(昭和53年法務省令第55号)第28条第2項又は土地家屋調査士法施行規則(昭和54年法務省令第53号)第26条第2項の規定により法務大臣が指定するものに限る。)
三 当該資格者代理人が所属する司法書士会,土地家屋調査士会又は弁護士会が発行した職印に関する証明書
四 電子認証登記所が発行した電子証明書
五 登記所が発行した印鑑証明書3.前項第3号及び第5号の証明書は,発行後3月以内のものであることを要する。
4.登記官は,本人確認情報の内容を相当と認めることができない場合には,事前通知の手続を採るものとする。
資格者代理人が申請人と面識がない場合において、本人確認情報の作成のため申請人について確認をするときは、(オ)申請人から健康保険証の提示を受ければ、他の資料の提示を受けることを要しない。」
(オ)×
申請人から提示を受ける必要のある書面は、以下の通りである。(規則72条2項)
1.運転免許証,個人番号カード,旅券などの場合は、いずれか1点以上
2.国民健康保険,健康保険証などの場合は、いずれか2点
3.国民健康保険,健康保険証などのいずれか1点以上と, 官公庁から発行または発給された書面その他これに準ずるものであって, 当該申請人の氏名,住所および生年月日の記載があるもののうちいずれか1点以上
→1点の提示を受ければ足りる書面は、運転免許証,個人番号カード,旅券などである。
規則72条(資格者代理人による本人確認情報の提供)
第七十二条 法第二十三条第四項第一号の規定により登記官が資格者代理人から提供を受ける申請人が申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために必要な情報(以下「本人確認情報」という。)は、次に掲げる事項を明らかにするものでなければならない。
一 資格者代理人(資格者代理人が法人である場合にあっては、当該申請において当該法人を代表する者をいう。以下この条において同じ。)が申請人(申請人が法人である場合にあっては、代表者又はこれに代わるべき者。以下この条において同じ。)と面談した日時、場所及びその状況
二 資格者代理人が申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識があるときは、当該申請人の氏名を知り、かつ、当該申請人と面識がある旨及びその面識が生じた経緯
三 資格者代理人が申請人の氏名を知らず、又は当該申請人と面識がないときは、申請の権限を有する登記名義人であることを確認するために当該申請人から提示を受けた次項各号に掲げる書類の内容及び当該申請人が申請の権限を有する登記名義人であると認めた理由
2 前項第三号に規定する場合において、資格者代理人が申請人について確認をするときは、次に掲げる方法のいずれかにより行うものとする。ただし、第一号及び第二号に掲げる書類及び有効期間又は有効期限のある第三号に掲げる書類にあっては、資格者代理人が提示を受ける日において有効なものに限る。
一 運転免許証(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第九十二条第一項に規定する運転免許証をいう。)、個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第七項に規定する個人番号カードをいう。)、旅券等(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二条第五号に規定する旅券及び同条第六号に規定する乗員手帳をいう。ただし、当該申請人の氏名及び生年月日の記載があるものに限る。)、在留カード(同法第十九条の三に規定する在留カードをいう。)、特別永住者証明書(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)第七条に規定する特別永住者証明書をいう。)又は運転経歴証明書(道路交通法第百四条の四第五項(同法第百五条第二項において準用する場合を含む。)に規定する運転経歴証明書をいう。)のうちいずれか一以上の提示を求める方法
二 国民健康保険、健康保険、船員保険、後期高齢者医療若しくは介護保険の被保険者証、健康保険日雇特例被保険者手帳、国家公務員共済組合若しくは地方公務員共済組合の組合員証、私立学校教職員共済制度の加入者証、国民年金手帳(国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第十三条第一項に規定する国民年金手帳をいう。)、児童扶養手当証書、特別児童扶養手当証書、母子健康手帳、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳又は戦傷病者手帳であって、当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか二以上の提示を求める方法
三 前号に掲げる書類のうちいずれか一以上及び官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに準ずるものであって、当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか一以上の提示を求める方法
3 資格者代理人が本人確認情報を提供するときは、当該資格者代理人が登記の申請の代理を業とすることができる者であることを証する情報を併せて提供しなければならない。