H17-2意思表示
意思表示に関する次の1から5までの記述のうち、誤っているものはどれか。
1 AB間でAがBに土地を売り渡す契約を締結したが、Aが真意では売り渡すつもりがなかった場合において、BがAの真意を知っていたときは、当該契約は、無効である。
正しい
相手方(=A)の意思表示が真意ではないことを知り, または知ることができたときは(悪意)、
そのような相手方を保護する必要がなく、無効となる(民法93条1項ただし書)。
3 AB間でAがBに土地を売り渡す契約を締結したが、Aの意思表示について法律行為の要素に錯誤があった場合において、Aに重大な過失があったときは、Aはその意思表示の無効を主張することができない。
正しい
意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、取り消すことができるが、(民法95条1項)
要素の錯誤があっても、表意者(=A)に重過失がある場合、表意者は取消しの主張をすることができない(民法95条3項)。
民法95条(錯誤)
第九十五条 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤
二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
2 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
3 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
4 第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。